包括性を確立したヒーロー像を描く
45作目のスーパー戦隊。

『機界戦隊ゼンカイジャー』©2021 テレビ朝日・東映AG・東映 人間のゼンカイザーと4人の機械生命体・キカイノイドで結成された機界戦隊ゼンカイジャーが悪の組織・トジテンドに立ち向かう。歴代スーパー戦隊シリーズのエッセンスが散りばめられ、初めて見る人も歴代シリーズファンも楽しめる。全国テレビ朝日系で毎週日曜午前9時30分から全力全開放送中!
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スーパー戦隊といえば、それぞれの色を持つ5人組。ピンクのキャラクターは女性で、チームのサポート的なポジションを担うというのがお決まりだった。その女性キャラクターは、可愛くておしとやかという設定で描かれることが多かったが、現在はどのように表現されているのだろうか。プロデューサーの白倉伸一郎さんに話を伺った。

「スーパー戦隊シリーズが男の子向けにつくられている番組であることは事実です。番組のつくりが、玩具を売ってそのマーチャンダイジング収入を制作費に回すというビジネススキーム。玩具業界では商品を男の子向け、女の子向けと明確に分けているので、番組視聴者のターゲットを絞る戦略というのは今も行われています」

そんなセオリーのなかでも、女性の描き方は時代を経て変わってきているという。1984年に放送を開始した『超電子バイオマン』では、主要キャラクター5人中2人が女性になった。

「ロボットアニメと呼ばれる作品で、女性ファンの存在感が増してきたことに影響を受けていると思います。女性視聴者にも喜んでもらえる作品づくりを意識しだし、スーパー戦隊も女性キャラクターの扱いが画一的ではなくなってきました」

女性の描き方だけでなく、ヒーロー像の描き方も多様になってきた。現在放送中の『機界戦隊ゼンカイジャー』は、今までの戦隊シリーズとは全く違う挑戦的な作品。まずセンターの立ち位置にいる登場人物がレッドではなく、レインボー。そして彼以外の主要キャラクターは、人間ではなく正義の心を持ったロボットなのだ。

「1人ではできないことも5人集まればできるということを体現しています。完全無欠なヒーローは理想的なのかもしれませんが、ゼンカイジャーは1人では生きていけない人たちの集まり。欠落した部分を持っているから5人で助け合う。そして5人が力を合わせると、本当に強くなります」

完璧にならなくてもいい。共に助け合って生きていくという次世代のヒーロー像を提示している。

●情報は、FRaU2021年8月号発売時点のものです。
Text & Edit:Saki Miyahara

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