「しつけないしつけ」で子どもの能力が伸びるってどういうこと?

自分をコントロールする力が育まれる

育児で誰もが悩むのが、「しつけ」です。頭ごなしに怒ったりするのは良くないとわかっているけれど、優しく諭しても子供が言うことを聞かない……、などと頭を抱えている親御さんも多いのではないでしょうか。

NHK・Eテレなどでおなじみの大豆生田啓友先生は、「しつけないしつけ」こそが大切だ、と言います。このたび、話題の本『「しつけない」しつけのレシピ』を上梓した大豆生田先生に、くわしく解説してもらいました。

子を育むということが難しい時代

現代の子育ては、誰にとっても難しいものです。その大きな理由は、親だけが子育てを担うことが多い時代だからです。「ワンオペ育児」などという言葉もありますが、母親ひとりが子育てを中心的に担っているとすれば、大変に決まっています。

現代における子育てが難しいことの背景は、それだけではありません。現代は情報過多の時代です。しかも、先行きが見えない社会。乳幼児期からの子育てでその子が将来、成功するかどうかが決まる、などと親がことさらに不安になることが言われたりもします。

そして、そうした育児情報の多くは、往々にして「正しい親」を過剰に求めるのです。「言葉かけのNGワード」だとか、「叱るのはgoodで、怒るはNG」など──。もちろん、正しい側面もあるのですが、実際にはマニュアル通りにうまくいくことはなかなかありません。「正しい親」でありたいけれど、そうならない自分とのギャップにストレスを感じてしまうこともあるでしょう。

しつけストレス

「正しい親」に求められる「正しい育児」は数多あるようですが、中でも、親を悩ませる大きなテーマが「しつけ」です。「子どものしつけができていない」と思われることは、とても大きなストレスとなりますよね。

例えば、スーパーで子どもが「ギャン泣き」してしまったり、走り回ったりしてしまうこと、よくありますよね。そうすると、周囲から「しつけができていない」と思われそうです。電車に乗っても、子育てひろばに行っても、多くの公共の場で同じようなことが起こります。そして、そうした場を取り上げて、「しつけができていない親」だとして、ネットなどで話題にのぼることも少なくありません。

【写真】しつけができてないと思われそう公共の場でのギャン泣きしたり、走り回ったりすると、「しつけができていない」と思われそう photo by gettyimages

でも、本来、子どもはどこでも泣いたり、走り回ったりするものです。「公共の場で」と言いますが、家から一歩外に出たら、すべてが公共の場です。現代の親はいつも、そうした周囲の視線にピリピリしなければいけません。誠実に子育てをしている人ほど、このような「しつけストレス」は大きいのかもしれません。

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