2021.09.17

ダラダラ続く「緊急事態」の陰で、麻薬漬けになる日本の雇用

雇用調整助成金の副作用はこれから

日本は「ほぼ」完全雇用

東京都などへの緊急事態宣言が9月末まで延長された。外食産業など経済への影響が懸念されるが、労働市場の統計には「不思議な数値」が現れている。新型コロナウイルスの蔓延が続く中で、雇用が増加しているのだ。

by Gettyimages

雇用者総数は2021年4月に13カ月ぶりに増加に転じ、それ以降、プラスを続けている。もちろん、昨年マイナスが続いた反動もあるのだが、7月は5992万人と、コロナ前の2019年7月(6034万人)の99.3%にまで回復。2018年7月の5953万人を0.6%上回っている。新型コロナで大打撃を受けた非正規雇用も4月から増加に転じ、4カ月連続のプラスとなった。女性パートや男女のアルバイトも増加に転じている。

いやいや、営業がまともにできない飲食店などは今も厳しいはずだ、と言うだろう。だが、これも数字の上では底入れをしている。個人事業者を含めた就業者数の「宿泊業・飲食サービス業」を見ると、2020年2月から17カ月続いた対前年同月比マイナスが止まり、2021年6月についにプラスに転じているのだ。

日本経済はそう悪くないのではないか、と思われるかもしれない。確かに、完全失業率はコロナ下で最も悪かった時でも3.1%。直近の7月は2.8%である。世界の常識から見れば「完全雇用」に近い。

人口が減っているから失業率が低いのでは、と言う人がいるかもしれないが、実はそれも違う。就業者数も雇用者数も過去最高水準で、高度経済成長期よりもバブル期よりも働いている人の総数は多いのだ。

 

今では女性が働くのは当たり前だし、65歳以上の高齢者も働いている。働かなければ食べて行けないという事情があるかどうかはさて置くとして、少子高齢化の中で、日本では働く人も雇用も減っていないのである。

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