2021.09.17
# みずほ銀行

「みずほ銀行」のシステム障害はなぜ防げなかったのか…エンジニアを見下す「悪しき体質」

週刊現代 プロフィール

もっとも、みずほシステム部員の居丈高な態度は、不遇の裏返しでもある。企画部を頂点とする銀行のヒエラルキーで、彼らは最下層にいた。みずほHD発足によって社員数は約3万人に膨れ上がったが、システム担当者はごくわずかだ。

「システムなんて、普通に動いて当たり前。でもトラブルがあれば大減点」

それがみずほ内部の常識だから、やる気が出るはずもない。「利益ゼロのコストセンター」と笑われるストレスを、ベンダーのエンジニアにぶつけているというわけだ。

罵声を浴びながら、富士通のエンジニアは思った。システムはなんとか復旧したが、本当にこれで終わりなのか。もっと大きな病が、この銀行の奥底には巣くっているのではないか—。

その予感は19年後、現実となる。

 

今年に入り、みずほは半年間に6回もの大規模システム障害に見舞われた。一昨年、鳴り物入りで本格稼働を始めた新システム「MINORI」がうまく動かないのだ。

ATMでおカネがおろせない程度ならまだマシで、2月下旬の障害では通帳やカードが機械に吸い込まれたまま戻らず、後日ぶしつけに郵送で返却され、顧客を怒らせた。

8月31日、みずほは内部調査報告書を金融庁に提出した。中身は一言で要約できる。「原因不明」である。

〈もう、みずほダメじゃん〉

〈またかよ。何回目だ〉

〈15年みずほを使っていたけど、これを機に三井住友に変えました〉

ネット上にはそんな言葉が並び、「みずほ離れ」の兆しさえ見える。

そして誰もが、薄々気づきはじめた。みずほのシステムには、どこかに根本的かつ致命的な不具合が隠れているのではないか。でなければ、これほどトラブルを繰り返すはずがない—と。しかしその後驚くべき現実に直面する。その経緯を【後編】「これから「みずほ銀行」に起こる、ヤバすぎる現実…システムの「爆弾」を誰も処理できない」でお伝えする。

『週刊現代』2021年9月11・18日号より

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