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# みずほ銀行

「みずほ銀行」のシステム障害はなぜ防げなかったのか…エンジニアを見下す「悪しき体質」

数え切れないほど障害を起こしても、改善の気配がない。ミスや事故にしては多すぎる。他の銀行なら起こり得ないことが、なぜこの銀行では起きるのか。序曲は平成の大再編で、すでに聞こえていた。

19年前の予感

「お前らがダメだから、あんなことになったんだよ!」

第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の3行が合併し、みずほ銀行が誕生した直後の'02年夏。本店の至近距離、銀座の外れにあるクラブで、酔ったみずほのシステム担当者が大声をあげた。

絡まれているのは、接待する富士通のシステムエンジニアだ。勧銀時代から、みずほの勘定系(預金・融資・為替の処理と計算を担う銀行の基幹システム)の開発は富士通が請け負っている。

—お前こそ底辺のクセに、たかりやがって。

内心そう毒づくが、みずほは大得意先だ。愛想笑いを浮かべるしかない。今夜の会計もこちらが出すしかない。

19年前のこの年の春、みずほは大規模障害を引き起こし、総叩きに遭っていた。4月1日に勧銀、富士銀、興銀の各システムを統合した矢先、ATMが急停止。二重引き落としや給与振り込みの遅れ、誤送金が相次いで、トラブルの総数は250万件にのぼった。

2002年4月のみずほ銀行のATMコーナー(Photo by gettyimages)Photo by gettyimages
 

「こんなアホなことあるかいな。図体ばかり、でかくなって」

時の財相・塩川正十郎は、合併初日の失態を叱った。不眠不休で対処にあたるベンダー、つまり富士通や日立の現場エンジニアには「とても手に負えない」と逃げ出す者、過労で入院する者が続出した。みずほの行員は右往左往するばかりだった。

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