中国の習近平国家主席[Photo by gettyimages]

習近平の「独裁体制」がさらに強まる…中国で再び「暗黒の時代」が始まった!

新しい「文化大革命」ではないか

静かに始まっている「新しい文革」

中国で、新たな「文化大革命」が始まったのではないか。夏以来、そんな観測が急速に高まっている。習近平国家主席の独裁体制は、いまに始まった話ではないが、経済、社会活動に対する全面的な統制強化は、暗黒だった「毛沢東時代の再来」とみられているのだ。

文化大革命を主導した毛沢東国家主席[Photo by gettyimages]
 

きっかけは、中国のある元新聞編集者が8月27日、SNSのウィーチャットに投稿した記事だった(オリジナルは、https://web.archive.org/web/20210908033732/https://mp.weixin.qq.com/s/j09xDJOnmhoXDhqytGiKzQ 英語訳は、https://chinadigitaltimes.net/2021/08/translation-everyone-can-sense-that-a-profound-transformation-is-underway/)。

筆者の李光滿(Li Guangman)氏は、それまで中国国内の急進左派グループ以外では、無名に近い人物だった。ところが、彼の記事は2日後の29日、中国共産党機関紙の人民日報や新華社、CGTNなど中国の主要メディアでこぞって紹介され、大きな反響を巻き起こした。

言うまでもなく、中国では、言論が共産党によって厳しく統制されている。そんな中で、無名の筆者の記事が名だたる国営メディアで紹介されること自体が、極めて異例である。中国共産党の一部であれ、その主張が一定の権力者に支持されていなければ、ありえない話だった。

そんな議論の始まり方も、かつての文化大革命を彷彿とさせた。

文化大革命は、どう始まったか。1966年5月25日、北京大学哲学科の数人の教授と職員が「北京大学の運営は、資本主義の手先である走資派に握られている」と訴えた壁新聞を大学構内に張り出した。後に、壁新聞は「大時報」と呼ばれ、革命の重要な宣伝道具になった。

中国共産党中央委員会の主席だった毛沢東は6月1日、中国国営放送のラジオに壁新聞の内容を読み上げるよう、指示した。共産党指導部の中には、壁新聞の内容に同意しない勢力もいたが、毛は自分自身で別の大時報を執筆し、人民日報に掲載させた。

毛は、国家主席の劉少奇を「走資派」として糾弾し、自分に忠誠を誓う若者たちを「紅衛兵」として動員した。自分に同調しない共産党員や知識人を大量に迫害した文化大革命は、毛が死去した1976年9月まで続き、その間の死者は2000万人にも及ぶ、と言われている。

そんな暗黒の歴史を踏まえて、いま世界の中国ウオッチャーたちは「壁新聞を利用した毛沢東にならって、習主席はSNSを使って、新たな文化大革命を始めようとしているのではないか」と推測しているのだ。

 
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