先日、中国のZ世代が主役のリアリティ番組を見ていて、19歳のアイドル、ホアン・ミンハオ(黄明昊)が口にした一言がとても印象的だった。「僕たちZ世代は、仕事では思いっきり戦っているけど、生活では比較的“逃げ”の姿勢があるかもしれない。それは怠惰な“逃避”ということではなく、自分の気持ちに素直でいたいということ。それは僕にとって、とても大切なことなんだ」。彼の一言と合わせて画面には「自由を欲する」というテロップも流れた。

ホアン・ミンハオ/公式Weiboより
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「Z世代」とは、1995年から2010年(メディアによっては「1996年から」や「2015年まで」など様々)までに生まれた世代を指す。「Z世代」は世界の総人口の3分の1を占め、これからの消費を担う世代ということからも、実は今、彼、彼女たちの動向に注目が集まっている。

中国のZ世代は、中国統計局のデータによると中国の総人口約14億人の20%にあたる約2億5000万人いるという。日本の総人口を優に超える数だ。世界のZ世代同様、デジタルネイティブ世代ということ以外に、中国の高度経済成長下で育ち、一人っ子政策下に生まれた一人っ子世代というのは、他国や日本の同世代とは違うバックグランドでもある。

今回、中国Z世代の男女11人に話を聞いた。彼、彼女たちに話を聞くにつれ、激しい競争に置かれ続けてきたという現状と、それに対する反動のあいだで葛藤する姿が見えてきた。それは、冒頭に書いたアイドルのホアン・ミンハオが描写するZ世代像にもつながる。
11人は、大学在籍中、日本の大学院で留学中、イギリスや日本への留学準備中の19歳から25歳までの男女だ。彼、彼女たちの回答は、当然ながらバックグラウンドが異なることから様々ではあったのだが、共通点も多く見られた。約2億5000万人の中国Z世代は人数が多いこともあり、それだけ競争も激しい。その競争の背景には、日本以上とも取れる厳しい学業の環境があることを改めて知った。