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2億円不正流出か…マスコミが一斉に報じた「日大背任事件」の“深層”

附属病院建て替えめぐり何が…

「遅きに失した感はあるが、ここでウミを出し切り、新生日大として復活して欲しい」

日本大学元理事は、東京地検特捜部が日大附属板橋病院の建て替え工事を巡り、不正流出があったとして家宅捜索した一連の報道に接し、こう感想を漏らした。

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日大は08年に田中英寿氏が理事長になって以降、側近を重用、批判勢力を排除、強権支配体制を強めていったとして、内外からの批判が絶えなかった。冒頭の元理事も、田中体制の不透明経営を批判、退職を余儀なくされたが、今回、特捜部が摘発した事件は、「腐敗の構図」を余すことなく伝えている。

 

附属病院の建て替えめぐる2億円の流出疑惑

舞台となった板橋病院は、築50年を経て老朽化。建て替えは日大創立130年を飾る一大プロジェクトだった。工事を巡って、売り込みは活発化、それを捌くのは、田中理事長の肝いりで10年1月に設立された株式会社日本大学事業部だった。

日大事業部は、学部・大学院生数7万人を超えるマンモス学校法人の福利厚生、キャンパス整備などを事業化することにより、その収益を日大に還元するのが目的。理に適ってはいるが、主要ポストを理事長側近が固めることで利権化していった。

特捜部が注視しているのが、日大理事兼日大事業部取締役のA氏である。昨年、都内の設計会社に板橋病院建て替え工事の設計監理を約20億円で発注する際、大阪の医療法人グループのB理事長が都内に持つ医療コンサルタントに、2億円を支出するよう求めたという。

特捜部は、9月8日以降、家宅捜索令状を取り、日大本部、日大事業部、A氏の自宅、田中理事長宅、医療法人グループ、医療コンサルを関係先として家宅捜索した。

A氏は強豪として知られるアメリカンフットボール部「フェニックス」の元主将。大阪でスポーツ関連会社を経営、その手腕を買われて、日大事業部立ち上げの際、アドバイザーとして関与、11年9月、事業企画部長に就いた。

一方、B氏は大阪大学医学部出身。父親から受け継ぎ、7つの総合病院を中心に、介護施設、看護学校、医療コンサルタントなどで売上高約300億円の医療グループに発展させた。安倍晋三前首相はゴルフ仲間で中山泰秀防衛副大臣の有力後援者として知られるなど政界にも知己は多い。

相撲のタニマチとしても知られ、元アマ横綱で相撲部監督だった田中理事長とは相撲つながりで親しく、板橋病院では事業面でも深く結ばれることになった。特捜部は、そのつながりを捜査している。

 
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