家族紹介。
うちは、
母、80歳、認知症。
姉、47歳、ダウン症。
父、81歳、酔っ払い。
ついでに私は元SMの一発屋の女芸人。46歳。独身、行き遅れ。
全員ポンコツである。

ただ、皆が皆ずっとこうだった訳ではない。
何十年かぶりに、私は実家に戻った。
まずはその理由を、いや長めの愚痴にお付き合い頂けたら、とても嬉しい。

「どこのどいつだ~い?」「あたしだよっ!」「にしおか~すみこだよっ」
ロングヘアをなびかせ、SMの女王様の格好で行う漫談で人気を博し、エンタの神様にも出演していた芸人・にしおかすみこさん。現在46歳で、髪もバッサリショートヘアにカットしたにしおかさんが「全員ポンコツ」と語る自分の家族の話の新連載。

ちなみに、誤解のないように明記しておくが、ここでにしおかさんが言いたいのは、病気や職業や配偶者の有無でポンコツと言えるということでは一切ないということ。どんな病状や状況だろうが、一生懸命生きてる誰もが、当然ポンコツではない。ただ、にしおかさんにとっては家族がポンコツなのだという。ではどういう意味でポンコツなのか、そしてどんなふうに生きているのか――。にしおかさん自らの筆で綴っていただこう。
『爆笑オンエアバトル』『エンタの神様』などでピン芸人として女王様キャラが炸裂していたにしおかさん 
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コロナで仕事がゼロ、家賃が払えなくなった

1年前に遡る。
コロナがやって来て、ロックダウンという言葉を初めて耳にした頃。仕事がゼロになり、マンションの家賃18万が払えなくなった。もともと収入と見合っていなかった。貯金も底をつく。引っ越しだ。

街の「不要不急の外出はお控え下さい」というアナウンスが身体にチクチク刺さりながら、、そう言われましても……と、コソコソ物件を探してまわった。

なんとか見つけた。家賃10万円。25平米。最寄り駅・西新宿五丁目。一人暮らしだ。じゅうぶんな広さだろう。仕事なし貯金なし彼氏なし、その上部屋なしになったらきつい。底なしの落ちぶれ者だ。部屋の日当たりは良い。陽に心が救われることもある。ここに決めた。後は書類に判子を押すだけだ。

少しホッとしたのもあり、ふと実家が気になった。
父は耳も遠く、母は糖尿病も患っている。姉も、なんやかんや出てくる。誰だって歳をとる。コロナ禍でどうしているかな。1年ぶりに様子を見に行くことにした。

心配も嘘ではないが、引っ越しの荷造りも済ませたので、ダンボールから皿やカップをもう一度出したくない、実家でご飯を食べよう、という本音もあった。
だから実家に戻って住もうなどと、その時は夢にも思っていなかった。