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新型コロナで判明した「かかりつけ医」の根本的な「システム不備」

医療体制の「弱点」が浮き彫りに…

露呈した「かかりつけ医」の“希薄さ”

新型コロナに感染したかもしれない。そんな時、あなたは、どこに相談すればいいのか?――これまで国や自治体、有識者は保健所とともに「かかりつけ医」を推奨してきた。しかしながら、「かかりつけ医って一体、何?」「私のかかりつけ医はどこ?」と困惑する人が大半だろう。

それは当然のこと。「かかりつけ医」は法律や公的な制度に裏打ちされた呼称ではない。広義の一般名称でしかないのだ。何度か通った病院、診療所の医師を、あなたが「かかりつけ医」だと思えば、たった今から、その医師があなたの「かかりつけ医」になり、そう思うのをやめたらその時点で「かかりつけ医」ではなくなる。そのくらい曖昧なものなのだ。

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新型コロナの感染拡大は、保健所や医療現場に混乱をもたらした。ただ、もし、「かかりつけ医」の所在が明確だったら、混乱は今より小さくできたのではないだろうか。

日本医師会(日医)はホームページで、国民に「かかりつけ医を持ちましょう」と呼び掛けている。そのうえで「かかりつけ医」の定義をこう記している。

「なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師」

この基本コンセプトからすれば、「かかりつけ医」として最もふさわしいのは、中小の民間病院や診療所の医師だろう。日医の会員総数約17万人のうち、約半数近くが開業医と呼ばれる民間病院や診療所の開設者だ。

ところが新型コロナ感染症について、たびたびメディアに登場する日医の中川俊男会長、東京都医師会の尾崎治夫会長が発するメッセージは、国民への行動自粛の要請、それを後押しする政府、自治体への政策強化の要請など「お願い」が中心である。

筆者は「我々、かかりつけ医に相談して欲しい。できる限りのことをする」という歯切れ良く頼もしい発信を期待していたし、今も期待しているが、これまでのところそうしたメッセージは聞けていない。

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