ミャンマー問題に関するASEAN合意「暴力の即時停止」がいまだに実現されない背景

大塚 智彦 プロフィール

ASEANの仲介はより困難に

9月7日のラー副大統領のいわば「軍政への武装市民による全面的な宣戦布告」では、「軍事政権に対し人民の防衛戦を開始し、軍部のテロリストに反旗を翻し国の隅々で反撃する」「この革命は正義の革命であり、平和な国を作るために必要な革命である」として、市民武装組織であるPDFをはじめとする武装市民、活動家などに「反撃の戦闘開始」を指示したのだった。

これを受けて、実際に7日夜から8日にかけて各地で軍が関連する企業の通信施設、通信塔等など約10ヵ所が爆破される様子がSNSで相次いで伝えられるなど、戦闘が激化している。

これによりASEANによる仲介工作はさらなる困難に直面してしまったといえる。もっともNUG側は軍政を交渉相手として仲介を進めてきたASEANの姿勢には「実は失望しており、あまり期待していない」とも伝えられ、ASEANの存在意義が問い直される結果ともなっている。

正念場を迎えたASEAN、次の一手が注目される。

 

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