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ミャンマー問題に関するASEAN合意「暴力の即時停止」がいまだに実現されない背景

ASEANの「限界」が見て取れる

軍政と民主勢力が激しく対立し実質的な「内戦」状態にあるミャンマーの現状に対し、全当事者による対話で打開策を模索していた「東南アジア諸国連合(ASEAN)」の仲介が難しい局面に陥っている。

ASEANは、事務局があるインドネシアのジャカルタで4月に開催した臨時首脳会議で、ASEAN特使のミャンマー派遣など5項目に合意した。この会議には2月1日のクーデター後初めて国外を訪問した軍政トップのミン・アウン・フライン国軍司令官が参加しており、合意にも加わった。

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その後ASEANは持ち回りの議長国であるブルネイの第2外相を特使に任命、9月中にもミャンマーを訪問してミン・アウン・フライン国軍司令官など軍政関係者と直接会談する予定となっていた。

ところが8月31日、特使と軍政側の協議で「年末までの停戦合意」でまとまったとする一部の報道を軍政側が否定する事態となり、特使の訪問そのものは実現しても実質的な成果が期待できない状況に陥っていることが明らかになった。

そもそもASEANは、加盟10ヵ国による「満場一致」「内政不干渉」などの原則を掲げる地域連合体で、加盟国間で各種問題を巡って温度差が浮き彫りになり、対外的に強い発信が難しい組織とされている。

今回のミャンマー問題でも当初から介入、仲介に積極的なインドネシアやシンガポールに対し、タイやカンボジアなどは消極的な対応をみせており、ASEANとしての「限界」が露呈したともみて取れる。

特に一番の旗振り役だったインドネシアは、ミャンマー問題で主導権を握ることで「ASEANの盟主」というかつての立場への返り咲きたいという当初の思惑が外れた形となっている。

 

混迷の度を増すミャンマー問題に直面して、ASEANは果たして活路を見出すことができるのだろうか。

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