photo by gettyimages

科学的にどんな調理ならアリ?「時間調理学」で健康的な"ごはん"を考える

タンパク質は朝、カルシウムは夜がカギ

わたしたちは、日々栄養を摂取して、からだを維持させていますが、実際には食材を栄養として摂取すると考えるよりも、調理したあとの料理として食事をどうするか考えることのほうが一般的です。そして、実際の料理は、種々の食材を、種々の調理法で作製する、非常に複雑な工程といえます。

食行動と、それによって体で起こる時間帯別の反応との関係を研究する時間栄養学の観点から、朝食に向いている調理、夕食に向いている調理を考察してみました。この考察のエッセンスを日々の食事に取り入れることで、時間栄養学で得られた成果が取り入れられることでしょう。

時間と調理法

調理方法によってカロリーや栄養成分も違ってきます。ふだんの生活で大体わかっていることではありますが、ここではそれぞれの特徴をあらためて書き出し、時間栄養学的な視点からのコメントを入れて簡単にまとめてみました。

大きく分けて7種類、「焼く」「茹でる」「煮る」「蒸す」「和える」、そして「炒める」「揚げる」という調理法です。

【写真】様々な調理法調理方法によってカロリーや栄養成分も違ってくる photos by iStock

焼く調理法

基本は火が直接食材に触れる調理法ですが、多くはフライパンやグリル・オーブンなどで間接的に火を当てて、かなり高温で調理します。

特に肉類では、焼くことにより油分を落とすのでカロリーは低くなるということでは、夕食の調理に向いているといえそうです。

一方、栄養成分が高熱で分解されてしまうものは、栄養学的にはあまり好ましくないかもしれません。

茹でる調理法

食材を湯の中で加熱する方法で、後述の煮物と比較すると、単に湯の中で加熱することが茹でることの特徴です。

茹でる調理法の利点は、素材の良さを最大限に出す工夫ができる点でしょう。しかしながら、茹でることによって壊れた組織からは、水溶性の成分(糖、苦味、水溶性食物繊維、水溶性ビタミン)などが出ていってしまうという点に注意しなければなりません。

そこで、そういった成分も摂るために、茹で汁を使うという手もあります。朝食に摂る水溶性食物繊維が腸内細菌のとして良い働きをするので、ぜひ茹で汁ごと食べるような料理を工夫したいところです。

ただ、食材によっては、たとえば茹でゴボウより、次に出てくる煮物や、炒めるキンピラゴボウなどにする方が、食物繊維も一緒に摂りやすい調理法といえます。

煮る調理法

水やだし汁に食材を入れて加熱し、加熱した食材とともに煮だし汁も使う調理法で、日本料理などでは煮物として最もポピュラーなものです。

煮込みや煮つけなど、細かい調理法の違いはありますが、時間栄養学的な視点では、朝、昼、夕食のいずれでも、摂取時間による体への影響に特徴はない調理法だといえます。

蒸す調理法

蒸し料理は蒸気を使って加熱する料理で、茹で料理のように水溶性の栄養素が溶け出すことはなく、また炒め料理のように油を使用することはなく低カロリーとなるので、ヘルシーな調理法といえます。また、100℃以上に加熱されないため栄養素の損失が少なく、形も崩さないので素材を生かした調理法でもあります。

欠点としては、調理中に味付けがしにくいので、下味を付けたり、タレやソース類で味付けをして食べる工夫がいることです。蒸し器ではなく、スチームオーブンレンジを使ったり、電子レンジで食材の水分で蒸し状態にしたりする工夫もあり、手軽に蒸し料理ができます。

時間栄養学的な視点では、遅い夕食や、夜食を摂る必要があるときには、利用したい調理法です。

和える調理法

和え物は、下処理をした食材(和え種)を和え衣(酢味やドレッシング、ゴマ油)とともに和える(混ぜる)処理をする料理法です。日本料理の副菜に相当するものに多く見られます。和え種になる食材はあらかじめ、刻む、茹でる、煮る、炒めるなどの処理をしたものを使います。

食事バランスの観点から、パンやご飯といった主食だけを摂るより、主菜、副菜を摂ることが必要ですが、時間栄養学的な視点では、たとえば朝食に主食だけですませる忙しい人にも、ぜひ一緒に摂るようにすすめたいのがこの和え物の副菜なのです。

このように朝忙しい人の場合でも、前日から和え種の食材を用意しておけば、朝食時の副菜として和え衣で和えるだけなので摂りやすくなるのではないでしょうか。豆腐の白和えや、おからを使った卯の花和えなどは食物繊維もタンパク質も摂取でき、おすすめです。

関連記事