周りに惑わされず、やるべきことをやる

いずれも一人ではなく、みんなで踊るということになるわけですが、じつはここがダンス課題のむずかしいところでもあります。というのも、誰も踊っていないところで自ら進んで踊り始めるのは心理的なハードルがとても高く、周囲の空気にどうしても飲まれてしまい、踊り出すことができなくなることも多いからです。お家では積極的に楽しく踊れても、いざ試験の場になると、思うように体を動かせなくなってしまうわけですね。

これを乗り越えるには、ともかく「インプット」を増やすに限ります。たくさんの音楽を聞いて音やリズムに慣れ親しむ、楽しみながら手足を動かすことを習慣にして、動きのバリエーションを一つでも多く持っておく。

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そうすれば自然と自信がつき、慌てず楽しんで踊ることができますよね。本番では当然緊張もしますし、普段通りにできないこともあるかもしれませんが、事前にお家でしっかり取り組むことでインプットを多くしておけば、うまくアウトプットできる可能性も高くなるのではないでしょうか。

先ほども申しましたように、グループでの取り組みはどうしても周囲に引っ張られます。「周りがやらないから自分もやらない」という気持ちになりがちです。スイングでは、授業で子どもたちにそういう傾向が見られた場合、「周囲がどうあれ、やるべき時はやろう」と伝えます。

キョロキョロ周囲を見回したりなかなか動こうとしない子には、「周りが遅かったから、やらなかったよね?」「全力でやった? 周りに合わせてない?」と声をかけます。するとたいていの子は「あ!」という顔をします。次からは周囲を気にせず、積極的に自分からやり出す子もいます。「どんな時も全力を出すのが大事」ということを、子どもなりにきちんと理解していくわけですね。

「周りに合わせず自主的に行動する」というのは大人でもむずかしいものです。日本人に不足しがちな力とも言えます。しかし外に向かって自分の考えを示す、周囲がどうあれ自分を貫くというのは、創造性を養う意味でも非常に重要です。小学校受験というのは、生活習慣や礼儀を重視するなど古典的な常識からの流れをくんでいる部分もありますが、一方で創造性や積極性など、これからの時代に求められる力が問われるものでもあるんですね。