「子どもを半人前扱いする」ことの大きなリスク

そもそも「社会の担い手」とは誰なのでしょうか。

2016年から18歳選挙権が始まり、2022年4月から18歳成人となりますが、18歳未満の子どもは有権者ではなくても、主権者です。そもそも憲法で定めている「国民主権」には、年齢規定はなく、0歳の赤ちゃんであっても主権者なのは自明のことです。しかし、子どもは半人前扱いされがちなのですが、それはなぜなのでしょうか。

確かに、4歳の私の娘に「今回の自民党総裁選挙、誰が選ばれると思う?」とか、「今、消費税が10%だけど、もっと上がった方が良いかな?」といった話をしても、4歳児には分からないと思います。しかし、今の日常では、「新型コロナウィルスを防ぐためにはどうしたら良い?」と聞いてみれば、「手を洗う!」「マスクをする!」といった答えがかえってきます。

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あるいは、中3の息子や高2の娘であれば、消費税がどういうものか、自民党総裁選挙の意味などは分かっています。つまり、歳を重ねていくことで、半径1メートル程度の社会が保育園・幼稚園、小学校・中学校、さらには市町村、都道府県、世界というように拡がっていくのです。成長するにつれて「自分が暮らしていた〇〇県はこういうところだな。〇〇市はこういうところだな」と感じ、「では、日本全体ではどうなのかな。世界の中での日本はどうなのだろう」と考えが広がり、自分と地域、社会との関係性を意識するようになります。

だからこそ、子どもを半人前扱いし続け、成人になったとたんに「あとは自己責任で!」とするのではなく、子どもの時から「市民とは何か」という意識を育て、あるいはその中で地域の活動に参加していくことが大切になります。子どもを市民に育てる、子どもを大人に育てていくといった意識を持つこと、子どもであっても一人の人間としてきちんと尊重されることが、社会の担い手を育てるためには不可欠であり、各自治体においても、そうした視点で、市民である子どもや若者と向き合うことが求められているのです。

子どもは黙ってろといわれたり、親の言いなりにさせられていたり、尊重されずにいたら、自分の意見を相手に伝えてもどうせ無駄だと感じてしまう Photo by iStock