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「コロナ後」の世界を生き抜く羅針盤がここに

新型コロナウイルスの猛威が止まらない。一時はワクチンの接種が進めば、私たちの日常も次のフェーズに進むものと考えられていた。世界の有識者の論考も、 「コロナ後」を見据えたものが多くみられた。だが、変異株はそう易々とパンデミックを過去のものにしてくれそうにはない。

新たな変異株が現れると、蓄積されてきた私たちの知識や経験は通用しなくなる。その振り出しに戻されるような終わりの見えない感覚が、さらに不安を募らせる。そして、これはウイルスに限ったことではない。

コロナ禍によって劇的なパラダイムシフトが起きようとしている。コロナ前の社会にそのまま戻ってはいけないという提言は、まさに私たちに「未知の世界」へ足を踏み出すように促すものだ。知らない世界へ足を踏み入れるときには、常に不安がつきまとう。

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くわえて、社会がもともと抱えていた、環境破壊、格差と分断、資本主義の暴走などの問題がより鮮明になっている。経済活動が停滞し、私たちが立ち止まったからこそ見える問題もあれば、コロナ禍に深刻化したことで浮き彫りになった問題もある。これらの諸問題にも、もはや目を背けることはできない。

災害後に人びとが互いに助け合う束の間の理想的な共同体が形成されることを描いた『災害ユートピア』は、日本でも東日本大震災のあとに広く読まれた。しかし、このユートピアは長く続くわけではない。

著者レベッカ・ソルニットは、本書に収録された記事のなかで「災害が引き起こす深刻な影響は、往々にして遅れてやってきたり、間接的だったりする」と記す。

2008年に起きた金融危機が、2011年の「ウォール街を占拠せよ」運動へ、そしてその後のエリザベス・ウォーレンやバーニー・サンダースの台頭につながったと指摘するように、コロナ禍の影響が顕在化するのは、収束から数年が経った後になるのだろう。

だが、ソルニットが「どん底の悲しみや激しい怒りは、希望と相容れないわけではない」とも語るように、社会の変化の兆しは少なからず見えている。

シリーズ第3弾となる本書では、前2作と同様、世界の主要メディアから厳選された記事だけを翻訳・掲載するオンラインメディア「クーリエ・ジャポン」から、反響の大きかった有識者へのインタビューを中心に、「時代精神の転換」「コロナ禍と人間」「分断と新秩序」「資本主義の諸問題」「コロナ禍の中で働くということ」「文化という希望」の6つのテーマ別に再構成し、変化の萌芽を表すようなキーワードを提示しながら、世界の賢人たちの考えを紹介している。

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