「神を信じない人」が増えているアメリカで、いま起きつつある「重大な変化」

日本人も無関係とは言い切れない
岡本 亮輔 プロフィール

また2015年には、ある属性を持つ大統領候補者に投票するか否かが調査されている(https://news.gallup.com/opinion/polling-matters/185813/six-americans-say-yes-muslim-president.aspx)。

例えば、候補者が、カトリック教徒、女性、黒人、ヒスパニック、ユダヤ教といった属性をもつ場合、いずれについても90%以上の人が投票するとしている。同性愛者の場合も74%が投票する。それに対して、無神論者は、最下位の社会主義者(47%)の次に低い58%で、わずかにだがイスラム教徒(60%)を下回る。つまり、米国では、イスラム教徒の大統領よりもあり得ないのが無神論者の大統領なのである。

なぜ米国では無神論者は嫌われるのか。それは、彼らが倫理、正義、公正などに無頓着な人々だとイメージされるからである。

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教などには聖典があり、信者にとっては、そこに全ての真理が明かされている。したがって、ある局面でどのように振る舞い判断するかは、聖典を参照すれば自ずと明らかになる。そして、聖典やそこに書かれた神の言葉を否定する無神論者とは、倫理や行動規範を持たない非道徳的な人々とイメージされるのである。

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しかし、こうした米国の無神論者嫌悪も徐々に変化しつつある。特に若年層を中心に、宗教を疑問視したり、否定したりする人が着実に増加しているのだ。ピュー・リサーチセンターの調査によれば、20代に限れば、定期的に教会に通う人はカトリックで25%、プロテスタントで36%と少数派であり、さらに33%は無宗教を自認するのである。

そして2019年、40年以上続く調査で、無宗教者が23.1%となり、2位のカトリックの23%、3位の福音主義派は22.5%をわずかに上回り、初めて首位にとなった。統計的には誤差の範囲だが、1990年初頭と比べると無宗教者は2.6倍以上増加しているというのである。

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