グレッグ・エプスタイン[Photo by gettyimages]

「神を信じない人」が増えているアメリカで、いま起きつつある「重大な変化」

日本人も無関係とは言い切れない

チャプレンとは、教会以外の施設・集団に務める聖職者のことだ。ハーバード大学は40名以上のチャプレンを擁するが、今回、そのチーフに無神論者が全会一致で選出された。この出来事は、日本ではあまり注目されてこなかった「米国の宗教離れ」の画期と言える。

多様化するチャプレン

日本では馴染みがないが、欧米ではチャプレン制度は長い歴史を持つ。学校・病院・刑務所・軍隊などで施設専属の聖職者が配置され、学生や教師の良き相談相手となり、末期状態にある病者に霊的な指導や慰めを与え、長期航海中の軍艦で礼拝を行うのだ。米国では、連邦議会でも専属の「議会チャプレン」が任命され、開会の祈りなどを執り行うのである。

現在、議会下院のチャプレンを務めている長老派教会の牧師マーガレット・キベン[Photo by gettyimages]
 

元々、チャプレンはキリスト教の聖職者であったが、近年、特に欧米では宗教文化の多様化と共に、キリスト教以外のチャプレンも置かれるようになった。とりわけ今回話題になっているハーバード大学には、世界中から学生やスタッフが集まる。そのため、チャプレンも極めて多様で、同大ウェブサイトによれば40名以上のチャプレンがいる。

やはりキリスト教系のチャプレンが多いが、一口にキリスト教と言っても、その信仰や実践の内実は様々だ。内的な霊性体験を重視するクエーカーや原理主義的な信者も多い南部バプテスト派から、イエスはあくまで宗教指導者であったとしてその超越性を否定するユニテリアンまで、様々な教派のチャプレンがいる。

キリスト教以外では、イスラム教、ユダヤ教、ヒンドゥー教、仏教、シク教などはもちろんのこと、ゾロアスター教、バハイ教、スウェーデンの科学者・神秘家のエマヌエル・スウェーデンボリを信奉するニューチャーチのチャプレンなどもいる。

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