2021.09.12
# 就活

いま「遠洋マグロ漁師」になりたい若者が、少しずつ増えている「意外な理由」

YouTubeが密かに人気に

「借金のカタにマグロ船で稼ぐか…」「内臓売るか、それともマグロ漁船に乗るか…」など、金銭面で窮地に陥ったときの究極の選択として、いまだにテレビドラマや漫才のネタで登場するマグロ漁。青森・大間のマグロ漁のような近海の話ではなく、世界の海洋で1年間操業を続ける遠洋マグロ漁にまつわる口承「都市伝説」だ。

こうした偏見を解消し船員を確保しようと、漁業団体が若者向けに動画投稿サイト・YouTubeで現状を紹介。「イメージが変わった」と漁業と縁もゆかりもなかった若者の志願者が急増している。

 
 

20年で船員が半減、遠洋マグロ漁の危機

遠洋マグロ漁業と言えば、日本人の旺盛なマグロ需要を支える花形的な存在だが、船員不足は深刻な状況だ。マグロを中心とした遠洋漁業の全国団体、日本かつお・まぐろ漁業協同組合(東京)によれば、遠洋マグロ漁の日本人船員は、現在約1100人。この20年で半減したという。

同組合の香川謙二組合長は「マグロ漁船に乗ったら、逃げ場のない船上で長期間奴隷のような扱いを受け、過酷な作業を強いられるというイメージがあって船員確保が難しい」という。船員不足を補うため、近年はインドネシア人など外国人の船員を確保して操業している。

ただ、新型コロナウイルスの影響で昨年から、外国との往来が以前のようにできなくなり、外国人を乗船させることも難しいのが現状。二十数人いないと操業できないため「直近では出航を諦めるケースがあるほか、中には見通しが立たずに漁船を手放す船主もいる」(香川組合長)と肩を落とす。

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