日本人は知らない…「スイスの富裕層」が「債券投資」を好む2つの理由

渡邊 一慶 プロフィール

債券投資の目的

債券とは借用証書のことで、お金を借りた証明をしています。株式と債券の違いについて、株式には満期がなく、債券には満期が存在すると説明しました。満期が存在するということは、満期が来たら投資元本が全額戻ってくることを意味します。

債券投資とは、お金が必要な国や企業が債券を発行して、お金が余っている投資家が債券を購入することにより、一時的にお金を貸すという行為です。

一方、株式投資とは、お金が必要な企業が株式を発行して、お金が余っている投資家が出資をすることにより、一緒に経営に参加して企業を応援する行為です。

では、投資家が投資をした資金を回収するとき、株式と債券の違いを考えてみましょう。

株式には満期がないので、投資資金を回収するためには、株式市場で株を売却します。その際、株価が上がっていれば利益が出ますが、株価が下がっていれば損失が出ます。

一方、債券には満期が存在するため、満期まで保有していれば投資資金が全額返済されます。

 

では次に、投資家が債券投資をおこなう目的を考えてみましょう。いくら一時的にお金を貸しているだけといっても、投資家も無料でお金を貸すわけではありません。投資家にとって、債券投資の目的は利息収入を得ることです。

債券を発行するときには、あらかじめ決めておかなければいけない約束事がいくつかあります。

いくらの金額を、いつまで貸すのか。さらに、利息はいくら受け取れるのかということです。いくらの金額を貸すのかは額面金額で表し、いつまで貸すのかは満期(正式には償還)で表します。そして、利息の割合は利率で表します。

債券投資をしたことがない人にとっては、少し馴染みがない言葉なので難しく感じるかもしれませんが、実際の債券を考えれば簡単です。

単価100円の債券を額面100万円分購入し、利率は年率3・0%で満期が5年だった場合、投資家は100万円を5年間貸して、毎年3・0%の利息を受け取るということです。
債券を発行した企業の立場で考えれば、投資家から100万円を5年間貸してもらう代わりに、毎年3・0%の利息を支払い、5年後の満期のときに100万円を返すというだけです。

つまり、債券とは、満期になったら額面金額で返済され、さらに満期までのあいだ、毎年利息を受け取れるという金融商品なのです。

株式投資は、資産が5倍や10倍に増えることもありますが、景気が悪化して株式相場が下落すると、資産が1/5や1/10に減ってしまうこともあり得ます。

一方、債券投資は、資産が5倍や10倍に増えることはありませんが、満期まで保有をすれば、債券の発行体が倒産しない限り損失はありません。

以上のように、債券投資のリターンは満期まで保有すれば確定しますが、株式投資のリターンは満期がないため未確定ということです。

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