写真提供:株式会社商船三井
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アフターコロナの「人材不足」の救世主? 海運大手が「フィリピン人材」をイチ押しする理由

長引くコロナ禍でつい忘れかけているが、実は深刻な日本の労働力不足。その解消策としてクローズアップされているのが「外国人人材」の活用だ。しかし、外国人人材の活用と聞くと、文化や言葉の違いでうまく日本の会社組織になじめるかどうか、不安を抱く企業は少なくないだろう。

その点で、実は長年にわたって外国人人材が戦力の中心を担っている業界がある。「海運業界」だ。日本の海運各社が培ってきた外国人船員育成のノウハウには、他の業界にも応用できるヒントがあるはず。

そこで、株式会社商船三井のフェリー・関連事業部外国人人材事業チームに所属する冨沢瑠美氏に、採用からマネジメントまで、外国人人材活用のポイントを聞いてみた。その中で浮上した、重要なカギを握る国とは?

人手不足の切り札「特定技能外国人」

「644万人」……パーソル総合研究所が中央大学と共同で算出した、2030年時点での人手不足の推計値だ。

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この「644万人」のギャップを、労働生産性の向上や女性・シニア人材の活用などで埋めていく必要があるが、それでも不足する労働力を補うリソースとなるのが「外国人人材」だ。

2019年4月には、新たな在留資格として「特定技能」が設けられた。この特定技能によって正規の待遇と長期滞在が保障されたことで、人材を確保することが困難とされる14業種での外国人労働者の就労が可能になった。

・特定技能外国人を受け入れる分野(14業種)
介護、ビルクリーニング、素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業
 

人手不足解消の切り札として期待されたこの特定技能だが、折しも2019年末から続く新型コロナウイルス禍によって状況は一変した。2020年4月には水際対策強化のため、入国拒否の対象国が73か国・地域に拡大。新制度はスタートから大きく出鼻をくじかれる格好となってしまった。

それでも、日本政府(出入国管理庁)が公表した資料によると、2021年6月末時点の特定技能在留外国人数(速報値)は29,144人と半年前(15,663人)に比べて倍近くに増加しており、企業や行政担当者などの間に制度が浸透していることがうかがえる。

今後、アフターコロナで国境を越える移動の制約が緩和されれば、特定技能外国人の受入の機運はさらに高まっていくだろう。

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