総務省によると総人口に占める高齢者は28.7%で、およそ4人に1人が高齢者だという(2020年9月時点での推計)。これは大正9年の調査開始以来、初めてとなる高い割合で、今や日本は超高齢化社会となっている。

高齢者の一人暮らしも年々増加傾向にあり、家の掃除が困難で、ごみ屋敷のようになるパターンも見られる。そこで、カリスマ清掃員として数々の著書を持つ新津春子さんの新刊「1か月に1回物を動かせば家はキレイになる」(ポプラ社)から、高齢者でも無理せず続けることができる掃除の方法を抜粋紹介しよう。

重いものが持てない

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掃除や片付けには、物を移動させる作業がつきものです。自分の体の使い方を考えずに重いものを持つと、足腰を痛めてしまいます。「このくらいできるよ」と考えがちな、力に自信のある人ほど要注意です。

物を持つ時にはコツがあります。

まず、体の重心の位置を意識します。そして、自分の体重と物を同時に移動させながら、物を持ち上げて運びます。物を下ろす時も、いきなり置くのでなく、一方の足からもう一方の足へ体重を移動させ、体が安定してから下ろします。

体は一つしかありません。無理してきたことが、後の自分に返ってきます。私もこの歳になって、だんだん腰が痛くなってきました。

若い時に、体のことを考えることなく、毎日十数本のモップを一度に抱えて運んだり、40kg近い機械を持って階段を上ったりしていました。何年間も無茶なやり方で作業していた時のツケが、後になって現れてきたのだと思います。

掃除や片付けは、腰はもちろん、手足もよく使います。疲れにくいやり方を考えたり、作業後にマッサージをしたりすることが大切です。体にかかった負担は、若い時は眠ればある程度回復できても、年齢を重ねるとそうはいきません。

例えば、壁を拭く時は指先を上にして拭いていきますが、低いところを拭く場合は指先を下にして手の向きを逆さにして拭くと、しゃがまずにラクに拭けます。このやり方のほうが、拭き残しができにくく手早く作業できます。それによって体の負担が減り、休憩時間も長く取れるようになります。

自分の体にやさしい工夫をたくさんしてほしいなと思います。