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いつも「メッセージ性ゼロ」…菅政権による記者会見が「官僚っぽく」聞こえる原因

「報道官制度」の導入が望まれる

菅政権の「広報パフォーマンス」は失敗

自民党総裁選は、岸田文雄前政調会長と河野太郎行革担当相、高市早苗元総務相の3人を軸にした戦いになってきた。誰が勝利したとしても、政権を握るとしたら、私は「広報体制の抜本的な改善」を求めたい。それが、あらゆる改革の第一歩になる、と思うからだ。

広報の重要さは、あらためて言うまでもない。政権と国民をつなぐチャンネルであり、国民の支持を得ようと思えば、まずは政権の側が自分たちの意図を正しく伝え、理解してもらう必要がある。残念ながら、これまで歴代政権の努力が十分だった、とは言えない。

とくに、菅義偉政権はそうだった。毎日の記者会見は、従来と同じく官房長官の加藤勝信氏が開いていたが、彼は政府の立場をそつなく語るだけで、まさに「官僚そのもの」といった感じだった。これは加藤氏の人柄による部分もあるが、実はシステムの問題である。

旧大蔵省出身の加藤勝信官房長官[Photo by gettyimages]
 

官房長官は毎日午前と午後の2回、首相官邸で記者会見する。それに備えて、各省から出向した官房長官秘書官たちは、朝早くから新聞各紙とテレビ報道をチェックし、必要に応じて、問題を所管する役所の担当者に電話をかけて情報収集し、当面の対応策を相談する。

その結果を応答要領にまとめて、長官が応答要領を基に、記者の質問に答えるのだ。このスタイルは、民主党政権を含めて、一貫して変わっていない。加藤氏に限らず、応答要領を書いているのが官僚なので、答えが「いかにも官僚的」になるのも、また当然なのだ。

菅政権も基本的に、内閣の広報を官房長官任せにした。加藤氏がサービス満点で、無口な総理に代わって、ときには応答要領を踏み越えて、オフレコの政局懇談も開くようなタイプであれば、それでも、多少はなんとかなったかもしれない。

だが、残念ながら、菅総理と加藤官房長官のコンビは、広報パフォーマンスという点では最悪だった。少なくとも、私は2人の会見を聞いて「政権は、こういうことを考えているのか」という明確で印象深いメッセージを受け取った、と実感したことは一度もない。

記者会見での菅義偉総理[Photo by gettyimages]
 
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