お知らせを待っているとうち逃してしまうことも!?

Q. 受験生の親です。HPVワクチンをうつ時期はいつがいいですか? 受験シーズンをずらしたいのですが……

A. 高1の3月までにうち終えるようにスケジュールを組みましょう。

定期接種の基本の接種スケジュールは初回、2ヵ月後、6ヵ月後です。通常はこのスケジュールでうっていきますが、大事な受験や部活の試合の時期を避けてスケジュールを組むこともできます。全3回を無料で受けるためには、高1の3月までにうち終えればよいので、中3の受験がおわったあとに接種で問題ありません。余裕を持って受けられるように、医師と相談してみましょう。

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Q. コロナワクチンとHPVワクチンを同時期に接種して大丈夫なの? 

A. 一般的には、接種と接種の間を約2週間以上空ければ大丈夫です。

2021年6月現在、厚生労働省の方針では、新型コロナウイルスのワクチンとそれ以外のワクチンの接種は2週間以上あけること、となっています。新型コロナワクチンは新しいワクチンということで、もし同時接種して副反応などがあった場合にどちらが原因かわからなくなってしまうということもあり、現時点では間隔をあけて打って欲しいということなのです。また、12歳~18歳に対して承認が下りているファイザー社のコロナワクチンは、1回目と2回目の接種間隔が通常は3週間となっています。

今の状況なら新型コロナワクチンを優先し、打ち終わってからHPVワクチンの予約を取るとよいと思います。ただし、高1年生は3月までにうち終えないと公費の対象ではなくなってしまうので、1回目の接種が遅れないように注意しましょう。どうしたらよいか悩む場合は、かかりつけ医に相談を。HPVワクチンの接種は、産婦人科のほか、小児科でも扱っていることが多いです。接種可能な医療機関のリストは、お住まいの市町村の窓口に問い合わせると教えてくれます。

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Q. HPVワクチンのお知らせとはどういうものですか? お知らせが来ない私はうてないのでしょうか?

A. お知らせが来ていなくても、接種は可能です。

お知らせが来ていない場合には、市区町村の保健所や予防接種担当課に問い合わせてみましょう。希望すると予診票を送ってくれるはずです。

現状、各家庭に通知している自治体と通知していない自治体があり、公平ではありません。多くの方が国に積極的勧奨再開を求めているのには、そうした背景があるのです。

情報が伝わらないことで接種できた人とできなかった人に、格差が生まれてしまっていますよね。問題の根源は、国が科学的なエビデンスに基づいて対応をしていないことにつきます。多くの医師がそうであるように、私も産婦人科医として国が一貫して科学的根拠に基づいた医療政策を行うことを引き続き求めていきたいと思います。

Q. 9価ワクチンの方が、効果が高いと聞いています。9価が定期予防接種になるまでで待っていたいのですが……

A. HPVワクチンはセクシャルデビュー前に接種することが大切なので、よく考えて。4価ワクチンも16歳までに接種すれば十分に効果は高いです。

現在、9価ワクチンは定期予防接種の対象外になっていて、いつか対象になるのかまだ分かりません。HPVワクチンは、将来子宮頸がんになるのを予防するために打つもの。子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスは、主に性器感染で感染します。

ですから、ワクチンが最も有効なのは、セクシャルデビュー前の接種。こうした点を考えると、先延ばしにせずに、まずは公費で打てる4価ワクチンを接種しておくことをお勧めしたいですね。そして16歳までに4価ワクチンを接種すると子宮頸がんを88%も予防できるので、4価ワクチンも十分に効果は高いといえます。定期接種で4価ワクチンを接種した上で、将来9価ワクチンを接種することも可能ですよ。

Q. 定期接種で接種できなかった世代はどうしたらいいですか?

A. 自費にはなりますが、早めの接種がおすすめです。

HPVワクチンをうち逃した世代に、公費でのキャッチアップ接種を求める動きはありますが、残念ながらいつ実現するか今のところわかっていません。

予防接種の年齢を過ぎてHPVワクチンを打ち逃してしまったという人で、自費でもいいので接種したいという場合には、産婦人科などで接種が可能です。

定期接種の期間を過ぎてしまった場合は、なるべく早めに接種する方がより有効性が高いです。そして20歳をすぎたら子宮頸がん検診も忘れないようにしましょう。

子宮頸がんに罹患する女性たちが少し軽減するように、HPVワクチンに関心を持ってほしい。photo/Getty Images
【ここだけでも読んで! HPVワクチン 要点まとめ】
●HPVワクチンの費用が無料になるのは、原則小6〜高1の女の子

●高1の9月までに初回接種をすれば全3回を公費で受けられる
※自治体の助成により期間の延長があるかもしれないのでお住いの市区町村で確認を

●HPVワクチンは性交渉の前に接種するのが最も有効(もう性交渉を経験済みだとしても有効なので接種が望ましいです)

●HPVワクチン接種の流れ:予防接種券(予診票)を自治体から取り寄せる→産婦人科または小児科などHPVワクチン接種をしている医療機関に予約を入れる→接種(全部で3回接種に行くことになります)。自治体からのお知らせが来ていても来ていなくても受けられます。お住いの市区町村で確認を
【参考になるサイト一覧】
・みんパピ!
https://minpapi.jp

・産婦人科学会「子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために」
http://www.jsog.or.jp/uploads/files/jsogpolicy/HPV_Part1_3.1.pdf

神奈川県産婦人科医会「子宮頸がんとHPVワクチンについて」
https://kanagawa-med.or.jp/images/sikyukeiganhpv-1.pdf