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「納得いかない」楽天の独自配送サービス終了で“解約”委託業者が憤る「深刻なワケ」

予期せぬ解約に“不穏”な情報も

好調なEC市場

コロナ禍の「巣ごもり需要」もあって、楽天グループの好業績が続いている。

三木谷浩史会長兼社長は、9月2日、「楽天市場」の出店者向けオンラインイベント「楽天EXPO2021」で、「今年、国内のEC流通総額が5兆円を突破する。2030年には10兆円を目指したい」と語った。楽天市場単体のEC流通総額は20年12月期に3兆円を達成。その勢いは止まらず、グループとしての国内EC流通総額は21年中間期(1~6月)で、前年同月比17%増の約2兆2777億円だった。

三木谷浩史会長兼社長(写真は2019年)/photo by gettyimages

そんな楽天の“アキレス腱”が物流である。

当初から自前物流倉庫を持っていたアマゾンと違って、仮想ショッピングモールへの出店という形でスタートした楽天は、出店者の配送システムに頼ってきた。その状況を打破、18年7月、エクスプレス事業を強化し、楽天市場の出店者向け商品の保管から配送までを一気通貫で支援するシステムを、全国レベルで構築すると発表した。

この独自配送サービスの「楽天エクスプレス」のために約2000億円の資金を用意、業務委託契約を運送業者と結び、全国展開していった結果、人口カバー率は63%に到達した。

 

「いきなりの解約」で業者は…

ところが楽天は、今年5月の連休明けから約40社の委託業者に対し、「5月末から楽天エクスプレスの配送サービスを終了します」と、一方的に通告した。

驚いたのは委託業者である。

「解約は3カ月前までに書面で通知されることになっていました。それが1カ月の猶予もなかった。楽天物流の一翼を担う覚悟で、倉庫を借り、ドライバーを確保、管理要員を雇い、体制を整えてきました。営業所も関東を中心に5カ所以上で展開。なのに、ズーム会議でいきなりの解約です」(委託業者代表)

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伏線があった。

3月12日に発表した日本郵政との資本・業務提携である。日本郵政が楽天の第三者割当増資を引き受け、8.32%を出資する。出資額は約1500億円で、日本郵政の増田寛也社長は「デジタルとリアルの掛け合わせで、新たな価値を創出する」と述べ、三木谷会長兼社長は、「創業以来、初めての大型出資の受け入れ。広範な提携を深めたい」と、表明した。

その後、業務提携の具体化が進み、日本郵政が4月28日に公表した「業務提携の進捗状況」によれば、物流、モバイル、DX(デジタル技術による変革)、金融、EC(電子商取引)の5部門で広範な提携を図ることになっており、物流では「共同の物流拠点、配送システムの構築」が挙げられ、日本郵便が50.1%、楽天が49.9%を出資するJP楽天ロジスティクスの設立が予定されていた。

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