ミャンマー「内戦」激化…市民の死者1000人超、ついに統一政府が「蜂起」呼びかけ

大塚 智彦 プロフィール

ヤンゴンの朝は爆弾で明ける

ヤンゴンなどの都市部では爆弾の爆発事件が頻発している。8月30日にはヤンゴン市内8ヵ所で爆弾が爆発した。前日の29日は中部の都市マンダレーの4ヵ所で爆弾事件も起きている。いずれも人的被害などの詳細は明らかになっていないが、爆弾事件には武装市民組織であるPDFが関係した事案と同時に軍政側の組織による「やらせ」も含まれているという。

30日のヤンゴン市内8ヵ所の爆発は、インセイン郡区、カマユ郡区、サンチャウン郡区、南オッカパラオ郡区、北オッカパラオ郡区など広範囲に及び、いずれもほぼ同時刻に起きていることなどから、軍政を支援する市民組織「ピュー・ソー・ティー」による犯行との見方を地元メディアなどは伝えている。

この「ピュー・ソー・ティー」は民間人の服装をした退役軍人や「ダラン(密告者)」、軍政支持の「USDP党」関係者などから成る武装組織で、2021年の5月頃から暗躍しているといわれている。

ヤンゴンではこうした反軍政のPDF、軍政支持の「ピュー・ソー・ティー」双方による爆弾事案が増えていることから、最近では「ヤンゴンの朝は爆弾で明ける」とさえいわれているという。

相次ぐ爆弾事件に関してヤンゴン在住の記者は「爆弾の爆発で誰が犠牲になったかをみればその容疑者、背後関係が見えてくる」との見方を示す。

爆発で死傷した被害者が兵士や警察官、軍政関係者、ダランなどの場合はPDFなど反軍政側によるもの、一般市民が死傷した場合はまず間違いなく「あちら側の犯行」という「判断基準」を示している。

 

ヤンゴン市内では日中は経済活動や飲食店の営業も始まっているとはいえ、それはあくまで「嵐の前の静けさ」に過ぎず、街中にはあちこちに「ダラン(密告者)」や治安当局者の警戒監視の目が張り巡らされており、警戒を緩めることはできないという。

一般市民が何気なくSNS上にアップした写真を情報源にして治安当局がPDFメンバーの拠点を特定して踏み込み、一斉摘発を行ったともいわれており、市民生活は表向きとは大いに異なり、緊張と警戒の中で過ごすことを強いられているのが実状だという。

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