ミャンマー「内戦」激化…市民の死者1000人超、ついに統一政府が「蜂起」呼びかけ

大塚 智彦 プロフィール

当局のスパイ170人が死亡か

ミャンマーの人権団体「政治犯支援協会(AAPP)」は、治安当局の実弾発砲を伴う弾圧で8月末までに犠牲となった市民は1001人に達したとして、すでに1000人を超えたことを明らかにした。

これに対し軍政は6月15日に首都ネピドーで軍政の情報相幹部が会見の中で軍政支持政党である「連邦団結発展党(USDP)」関係者とその支持者170人が殺害されたことを明らかにしたのが、唯一の公式数字となっている。

もっともこの170人は軍によって地区の管理者に任命され、住民の動向などを報告する当局のスパイ「ダラン(密告者)」であることを理由に殺されたケースであるとしている。このため軍兵士や警察官などの死者数に関しては正確なデータがない状況となっている。

民主政権を率いていたスー・チーさんらが2月1日に身柄を拘束されたことを受けて与党「国民民主連盟(NLD)」関係者が中心となって軍政に対抗するために組織されたのが「国家統一政府(NUG)」で、5月5日にはその指揮下に武装市民組織「国民防衛隊(PDF)」が公式に組み込まれたとされている。

 

各地で武装抵抗を続けるPDFの個別発表などでは、兵士や警察官の死傷者数が公表され、反軍政の地元メディアが伝えているものの、必ずしも全てのPDFがNUG指揮下にある訳ではない現状や数字を裏付ける情報に乏しいこともあり、まとまった正確な統計データが把握できないのだといわれている。

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