3. 小児の重症化は下痢や発疹に注意

成人と異なり、小児は頻度は少ないが重症化することがあり、大人と同様に肺炎で重症化することもあるが、それに加えて「小児多系統炎症症候群」という病態が知られている(成人にも同様の病態があるといわれている)。

小児多系統炎症症候群はもともと、ヨーロッパなどで「新型コロナウイルスの感染により起こる川崎病類似の病態」として報告されていた。小児でも成人同様に、新型コロナウイルスの感染では発熱や咳などの症状が見られるが、それに加えて、感染してから2〜6週間後(PCR検査は陰性になっていることが多い)に、

・腹痛や嘔吐、下痢などの消化器症状
・結膜炎
・頭痛や錯乱、眠いなどの中枢神経症状
・粘膜の異常
・手のむくみ
・リンパ節の腫れ

などの症状が見られたら要注意だ。また、小児多系統炎症症候群では心臓の機能が悪くなることがわかっている。

小児多系統炎症症候群が長期的に子どもたちにどんな影響を与えるかということは、まだはっきりとはわかっていない。小児多系統炎症症候群にかかった小児たちを1年間フォローアップしたイギリスの研究(※11)では、68例の患者のうち死亡例はなく、2名が重症化による再入院を経験している。入院期間の中央値は10日で、人工呼吸器が必要になった小児はいなかったという。
心臓に血液を供給する血管に動脈瘤ができた小児が19人いたが、そのうち14人は動脈瘤が消えてもとに戻った。また、動脈瘤がなく心臓の機能が低下していただけの小児は、全員が1年経過した時点で心臓の機能は回復して元に戻っていた。
この研究の結果は少人数なので信頼性には限界があるが、長期の経過は、良好に回復している小児が多いといえそうだ。

-AD-

また、成人で問題になっている「コロナ後遺症」だが、小児の感染増加に伴い、小児ではどのような症状があるのか気になる親も多いのではないだろうか。症状は、疲労感、頭痛、集中力の低下、不眠などだが、当初は3割以上が後遺症に悩むのではという報告もあった(※12)。しかし、感染や環境の変化といったトラウマによる精神的影響との区別が難しく、血液で過去の感染の有無を調べて、感染がない人と比較した研究では、統計的な差がなく、これまで思われていたよりも、小児のコロナ後遺症の頻度は少ないのではと示唆する研究もある(※13)