感染流行第5波にともなって、小児の新型コロナウイルス感染が増えている。夏休みも明け、感染のさらなる増加が懸念されるなか、医師として、小児の感染についてわかっている最新情報を以下にまとめたので参考にしていただきたい。

松村むつみ(放射線科医、医療ライター)
2003年名古屋大学医学部医学科卒。国立国際医療研究センターで初期研修。外科医を経て、2009年より横浜市立大学にて乳房画像診断、PETを中心に画像診断を習得。大学病院にて助教を勤め、放射線診断専門医、医学博士を取得。2017年、39歳でフリーランスの画像診断医となる。現在は神奈川県内の大学病院など複数の病院で、乳腺や分子イメージングを中心に画像診断を行う。著書に『自身を守り家族を守る医療リテラシー読本』がある。
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1. 感染経路は、家庭内感染が7割

子どもたちは、どこからウイルスをもらってくるのだろうか。インフルエンザや風邪は学校や保育所で流行することが多いが、新型コロナウイルス感染症の感染源は約7割が家庭内感染で、先行感染者は親などの家族だ。

出典:日本小児科学会

2021年8月30日に日本小児科学会が「データベースを用いた国内COVID-19症例の臨床経過に関する検討」の中間報告を出したが、それによると、2020年2月1日〜2021年6月30日では、幼稚園・保育施設での感染は各6%にとどまっていたものの、2021年7月1日〜8月17日には9%に微増しており、保育所において、誰から感染するかということについては、成人が減って小児が増えている(※1,2)

出典:日本小児科学会

これは、感染者が増えて小児にも感染が広がっていることと、成人はワクチンを受けた人が増えてきたことが関係している可能性もある。学校での感染は横ばい傾向だが、今後増加するか注視していく必要がある。

子どもの家庭内感染は、思春期以上の年長児よりも3歳以下などの低年齢児でリスクが高い傾向があると報告されている(※3,4)。低年齢児はマスクが出来ない、大人と離れられないなど、行動様式的に感染予防が難しいことがまず挙げられる。ウイルス排泄量に関しては、低年齢児で多いという報告(※5)も、高い年齢の児童と大差ないとした報告がある(※6)

現在、家庭内感染は深刻だ。もともと、家庭内感染の予防には、部屋を分ける、家庭内であっても不織布マスクをするなどが挙げられていたが、感染力が従来の株よりも高くなっているデルタ株では、それだけで感染を防ぐのは難しい。

では、家庭内感染が実際に起こってしまったらどうなるのか、何に気をつけておかねばならないのか、今から考えておく必要があるだろう。