日本円の購買力が1970年代に逆戻りしてしまったことの意味とは

外国人材を呼べない、高齢社会に逆風
野口 悠紀雄 プロフィール

高齢化する日本で人材を確保できるか?

円の購買力が低下すると、人材を外国から呼ぶことが難しくなる。逆に、日本人が外国で収入を得られれば、日本に戻ってから豊かな生活ができる。だから、日本の生産性を引き上げるのは、ますます難しくなる。

大学ランキングとしてさまざまなものが作られているが、どのランキングを見ても、トップ20位までに日本の大学は入らない。その半面で、中国の大学が順位をあげている。

世界的な人材の移動は、すでに大学の現状に現れていると言わざるを得ない。

同じことが他の仕事についても言える。日本では、人口高齢化に伴って、労働力不足がさらに深刻化する。多くの日本人は、日本が認めさえすれば、海外から労働力を日本に呼ぶことができると考えている。しかし、日本円の購買力が低下し続ければ、日本に来て職を得るのは、魅力的なことではなくなる。だから、外国人労働力に期待することはできなくなっていく。

例えば、介護人材を外国人労働力に求めるのは難しくなる。

 

逆に、日本人が海外で仕事をすれば、日本に戻ってから豊かな生活をすることができる。だから労働力が流出する。日本人が、外国で介護を行なうような時代になるのだ。

こうしたことは、現在ではまだ顕著な形では現われいない。しかし、現在のような状況が続けば、早晩、深刻な問題として立ち現れてくるだろう。

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