日本円の購買力が1970年代に逆戻りしてしまったことの意味とは

外国人材を呼べない、高齢社会に逆風
野口 悠紀雄 プロフィール

70年代から90年代まで、円の価値が高まる

上で見たような変化が生じたのは、為替レートが変化したためだ。

1960年代の後半、最初の貧乏学生を強いられていたとき、日米の為替レートは、1ドル=360円というレートに固定されていた。

1971年8月15日の「ニクソン・ショック」で米ドルと金の兌換が一時停止された。72年には、ドイツ・マルクが変動を始めた。

この時、私はエール大学の大学院の学生だった。ちょうど国際金融の講義の時間に、ドイツ・マルクが変動を始めた。教室にいた学生の1人が、”The Mark is floating"と大声で叫んだことを、いまでも覚えている。

 

73年2月には円もフロートを始めた。そして、76年1月に、変動為替相場制度が導入された。その後、ドルに対する価値は、日に日に上昇していった。つまり、円高になっていった。

この動きは、80年代、90年代を通じて続いた。それがピークになったのが、90年代の前半だったのだ。

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