2021.09.11
# 日銀 # FinTech

日本政府が「キャッシュレス推進」しながらも「新紙幣を発行」するワケ

矛盾はしていないの?

ちぐはぐではないのか

最近、金融決済関係のニュースが多い。ビットコインがエルサルバドルの第3の通貨に指定されたり、みずほ銀行の決済インフラが何回も連続してトラブルを起こしたり、また日本の新紙幣の印刷が開始されたりなど相変わらずだ。

その中で、マネーロンダリング(資金洗浄)対策を審査する国際組織「FATF」(金融活動作業部会)は8月30日、日本の金融のマネロン審査の結果を不合格と発表した。筆者は報道されるより先に、すでに8月19日公開の「進まない菅政権の『地銀再編』に急展開か?…国際機関のマネロン検査で日本がまさかの『不合格』」でその内容を解説した。

しかも、FATFは、日本政府による金融機関のマネロン対策を調べる検査や行政処分といった対応に、「縦割り行政の弊害」という課題があるとの指摘をおこなった。その発表を受けて、政府は内閣官房に省庁横断の特別チームを設置し対応することとなった。

キャッシュレス化、つまりデジタル化は一般にマネーロンダリング阻止に効果があり、一方、諸外国に対し高い日本の現金使用率はマネーロンダリングの温床とみなされている。

ちなみにキャッシュレス推進政策は経済産業省、通貨発行は財務省が担当省庁である。各省庁のそれぞれの所管の業務として行われている。

キャッシュレスといった場合には、筆者もそうであるが、現金以外の、銀行口座をつかった振込・振替は、現金を使っていないため、これも「キャッシュレス」であるという感覚がある。しかし、この「キャッシュレス・ビジョン」のキャッシュレス比率の計算には、その金融庁所管の銀行の振込・振替はそもそも入っていない。

 

現金・キャッシュレス化・デジタル化でも同様なことが発生している可能性があり、調整はどのようになっているのか、実は疑問が残る点なのである。

政府としてキャッシュレス化を推進しながら、新しいリアルの紙幣を発行しようとしている。そこに跛行性はないのか、それぞれの政策の背景を検討してみる。

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