「9.11」から20年…アメリカがいまだ目を背けている「重要な問題」

テロの記憶を、どのように継承すべきか

「9.11」から20年が経った…

2001年9月11日の朝、ニューヨーク市の世界貿易センターのツインタワーと首都ワシントンのアメリカ国務省(ペンタゴン)に民間旅客機が次々と突っ込み、さらにもう一機の飛行機がペンシルバニア州で墜落してから20年が経つ。旅客機の乗員乗客、ツインタワーで働いていた人、救助にあたった警官や消防士など、合計2977人が犠牲になった。

当時はまだカメラ付携帯電話はほとんど普及しておらず、ツイッターもインスタグラムもない時代だった。しかしツインタワーに飛行機が激突した直後からテレビの生中継が行われたこともあり、その崩落の様子はアメリカのみならず、世界中の人びとが目の当たりにすることになった。

日本ではちょうど夜のニュースの時間で、アメリカ一の高層建築として知られたこのふたつのビルが一気に崩れるという、信じがたい光景を多数の人が生中継で見ることになった。

2001年9月11日、煙を上げる世界貿易センターのツインタワー[Photo by gettyimages]
 

「9.11」(ナイン・イレブン)の記憶は今日まで多くの人びとの心に深く刻印されている。30代以上の人であれば、たいていは「あの日、自分が何をしていたか」を覚えているだろうし、当日の記憶がない人も、ビルが崩れ落ちる映像をどこかで目にしたことがあるだろう。「9.11」は世界のどこに行っても認識される、グローバルな記号でもある。

とはいえ、「9.11」が実際に何を意味するかは人によって異なる。「テロリストにアメリカが突然攻撃された日」という見方もあれば、「アメリカの帝国主義的政策への報いであった」という冷めた声もある。愛する家族や友人を失った人にはとても不条理で悲しい事件だろうし、その後のアメリカが展開した軍事戦略に巻き込まれたアフガニスタンやイラクなどの市民にとっては長い苦しみの始まりでもあった。

世界中に知られる事件だけに、9.11が意味するものは多様である。事件から20年を迎えるにあたり、本稿ではニューヨークのツインタワーの跡地にできたメモリアル(記念碑)とミュージアム(博物館)に焦点をあてて、アメリカにおける9.11の意義を考えてみたい。

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