なくならないパワハラカルチャー(photo by iStock)

いくらDXを掲げても、日本企業のタテ割り・パワハラが消えないワケ

丹羽宇一郎流、組織の風土を変えるには
最近話題のDX(デジタル・トランスフォーメーション)。デジタル化による業務の効率化や職場環境の改善が期待されていますが、はたして本当に効果があるのでしょうか。新刊『会社がなくなる!』より、企業経営のプロフェッショナル・丹羽宇一郎氏が、日本の企業文化の問題点について語ります。

いまも上座・下座がはびこる会社組織

日本の会社を考えるうえで、タテ型社会は最も大きなテーマだと思います。タテ型社会という構造を根底から変えない限り、日本の会社も社会も変わらず、世界から取り残されていくでしょう。

日本社会が「タテ型」という見立ては1967年、社会人類学者の中根千枝氏が『タテ社会の人間関係』(講談社現代新書)という著書の中で明らかにして一気に浸透しました。

著者は、日本で見られる機能集団の特色は、個々人の資格や属性よりも「場」によると指摘しています。集団が形成される場に最初に就いた古株を頂点として、次に就いた者はその下位になり、というタテの関係ができあがります。

それは「長幼の序」という実年齢による序列とは違います。いつその場に入ったかという順番が親分・子分、先輩・後輩という序列を形作るわけです。だから先輩が後輩よりも年下ということもありえます。

場となる小集団は封鎖性という特徴を持つため、非常に親密な集団にもなりえますが、いじめや長時間労働、非正規雇用への差別待遇、天下りといった負の側面を生む温床にもなりえます。日本独自のメンバーシップ型雇用とも大いに関わる特徴です。

『タテ社会の人間関係』でタテ社会というのは、単に上から下への権力関係を示したものではなく(そうした命令系統は世界中にあります)、「上と下が組み合っている関係」と表現されます。

うまく組み合っていれば、下位の者が上位の者に遠慮なくものが言えます。両者の間には強い依存関係が見られ、その集団の活動が活発であるほどこの傾向は強くなると指摘されています。

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