テロのないアフガンを作るのではなかったのか

最近、再び連日アフガンの報道を目にするようなった。20年前のアフガン攻撃が始まった、あの日の複雑な気持ちが蘇る。

アメリカは911テロからたった1ヵ月でアフガニスタンを攻撃した。

夫はまだ行方不明者で、何ひとつ事実はわかっていない時期。テロ事件は憎むべき事件ではあるが、では武力行使が正しいのか否か? その論議をかわす間もなく、アメリカのナショナリズムは高まり、街中が星条旗だらけとなり、一気に戦闘モードになっていった。外国人であるわたしは、本当にこれで良いのか? アメリカは何を目指し、どこまで走って行ってしまうのだろう? そう感じていた。

時は来た――911から10日後の、2001年9月21日の新聞には、ブッシュ大統領がアフガニスタンへの攻撃をすることが伝えられた Photo by Getty Images
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アメリカは「アフガニスタンがテロの温床にならないようにするために攻撃する」と言っていた。そしてそれから20年、アメリカ軍はアフガニスタンに駐留し続けた。その間多くの兵士や民間人も犠牲になってきたが、それはテロリストを再び生み出さない為ではなかったのか? しかし2021年8月、米軍が撤退を発表してから時をおかずして、あっという間にタリバンが政権を奪回。さらには20年の間に、新たに生まれた脅威であるISがそのタリバン政権に攻撃をしかける。

2021年8月に撮影されたアフガニスタンの写真。20年経っても、「テロのないアフガニスタン」はできていなかった Photo by Getty Images

テロのないアフガンを作る大義名分はどうした?
そのもとに命を奪われた人は?
残された家族は?

この20年はなんだったのだろう、長い年月経ったはずが世界は変わっていない。それどころか悪化の一途をたどっている。20年の間にもテロは繰り返され、未だ終わる気配はない。報復が報復を呼ぶ負の連鎖が止まらない。

この連載で掲載された私の手記の中に、事件から一年の9月11日を記した個所(15回)がある。そこに私はこう書いた。

”たかだか1年ではみえてこないものがある。わからないことだらけ。明確な答えはなかなかでない。長期戦ととらえ、一年また一年と考え続けねば”

しかしその時、20年後もまさか同じことが繰り返され、なにも解決策がなく、同じ問いを繰り返しつづけることになるとは思っていなかった。もちろん20年後を明確に想像していたわけではないが、漠然とでも、そのくらい時が経てば絡まった糸も少しはほぐれているだろうと思っていた。よもや20年もの間、自爆テロが起き続けることになるなど考えてはいなかった。

そしてそれを受け、今改めて思う。

わたしが大切であると思うことも、また変わってはいない。