東京五輪やパラリンピックで素晴らしいアスリートの言動に感動する一方で、2021年の夏は「有名人の暴言や暴行」に驚かされた。その背後にはどんな理由がありうるのか。ジャーナリストの島沢優子さんが不登校相談の50年のキャリアをもち、子育て相談室「モモの部屋」を続けている内田良子さんにもお話を伺い、考察した。

島沢優子さん連載「子育てアップデート~子どもを伸ばす親の条件」今までの連載はこちら
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大人の世界にも蔓延していた「いじりやいじめ」

「中田ショック」が長引いている。
チームメートに暴力を振るった中田翔選手(32)は日本ハムから無期限出場停止処分にされたものの、2週間ほどで巨人へのトレードに応じ、その翌日から試合に出場した。入団会見で暴力行為を謝罪したが、ネット上などでは同選手及び両球団の対応への批判が相次ぐ状況だ。

中田選手はこの暴行以外にも後輩へのいじりも頻繁だったと報じられている。差別、いじり、いじめ、暴行といったワードは18歳未満の子どもの世界にありがちなイメージだが、大人の世界でもこんなにも蔓延しているのかと、この夏は思い知らされた。

メンタリストのDaiGoさんが8月14日にYouTube上で、自身の社会的な弱者に対する差別的な発言を「人としてあってはいけない行為だった」などと涙ながらに謝罪した。
「自分にとって必要がない命は僕にとっては軽い」「僕は生活保護の人たちにお金を払うために税金を納めてるんじゃない」と主張し、さらに社会的弱者の尊厳を軽んじ、傷つける発言を繰り返したのだ。それらの発言を7日、YouTubeで配信。ネットで炎上し、批判が殺到していた。

この一件から思い浮かぶのは「小山田案件」。東京五輪開会式の音楽担当として発表された小山田圭吾氏が、障がいをもった同級生への凄惨ないじめの加害者であったことを自ら雑誌に語っていたことが指摘され、音楽担当を辞退した。他にもさまざまな大人の酷い言動が白日の下にさらされた。

東京五輪開会式は演出家の交代などがあったが、小山田氏の辞任は開会直前。混乱の開会式となった Photo by Getty Images