2021.09.07
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「デブは恋愛対象外」見た目のコンプレックスを煽る「マンガ広告」の深刻な問題点

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「ビジネス的に苦渋の決断」と語った西舘氏だが、こうした広告はやはり利益を大きくあげる側面もあるそうだ。

「コンプレックス広告は『モテたい』『お金が欲しい』『自信のある体になりたい』など、社会に深く根付いたコンプレックスに訴えかけるものなので、過剰に煽る要素が高いんです。また、こうした広告は消費者の年齢層や性別、そこから類推される趣向を分析して配信する技術もありますし、本来社会をよくしていくための技術が、生活者を過剰に煽って購買行動に直結させるために使われるようになっています。

それが収益性に直結していたこともあり、だからこそ広告主や広告代理店側はやめられず、また配信プラットフォーマーや配信先メディアもあくまで一部の方達の中では、周りがやっているんだからいいでしょ……という空気感が業界に蔓延しているのです。

もちろん正しくモラルを守って運用していらっしゃる方も多いので、全てを一括して語れませんが、一部の要因として責任の所在のあいまいさ、いたちごっこになっているというのもこれらの問題の大きなポイントですね」

“赤信号みんなで渡ればこわくない”。つまり、社会心理学でいうところの、普段は慎重な人も集団だと高リスクの判断をしてしまうリスキーシフトの状態ということか。

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根底にある「ルッキズム」という思想

“外見軽視系マンガ広告”を見て、その商品を購入してしまう層が厚いことの背景には、ルッキズム思想が社会に深く根付いているからだと指摘する声も多い。

「確かにそうだと思います。ルッキズムとは、簡単に言うと“外見に基づく差別”のことですが、美醜の意識を持つこと自体を指す言葉だと誤解されがちです。しかし美醜の意識自体は人それぞれの価値観ですので、他人が横からダメと言うべきではない要素でしょう。

ではルッキズムの何が問題かというと、他人を判断するときに外見的美醜が偏重されて差別が起きてしまうことです。過剰に容姿を揶揄されて傷ついてしまう人や、過度なダイエットから摂食障害を引き起こすことなど、生きる上での権利さえないと思ってしまう人もいます。

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