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9月 4日 クジラの日

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

今日、9月4日は「クジラの日」です。これは9月4日という数字が「ク(9)ジ(4)ラ 」と語呂合わせできることから制定されました。

ご存知の通り、クジラは海洋に住む哺乳類で、大きく分けるとハクジラ類とヒゲクジラ類に分けられます。

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クジラのほかに海に住む哺乳類といえばイルカが思いつきますが、生物学的に両者の区別は曖昧で、慣習的にはハクジラ類のうち成体の全長が4m以上のものをクジラ、それ以下のものをイルカと呼んでいます。

ただし、ゴンドウクジラの仲間は成体の全長が4mになりませんが「クジラ」と呼称されていますし、逆にシロイルカは成体の全長が4m以上になることもありますが「イルカ」と呼ばれています。

そんなクジラですが、実は現生の哺乳類の中で最も近縁なのはカバであると言われています。

これは近年の遺伝子解析によって明らかになったことで、この研究結果によって新たに「クジラ偶蹄目」という分類ができたほど大きな影響がありました。

実はクジラと遠い親戚であるカバ photo by iStock

ところで、日本でクジラといえば水族館での鑑賞など以外にも「鯨食」という文化があります。

昔から世界的にクジラが食事や油の生産に利用されてきたのは貝塚などの研究でわかっていますが、その中でも日本はグリーンランドなどに住むエスキモーとともにクジラ肉を積極的に利用していました。

古くは『万葉集』などにもクジラを表す「勇魚(いさな)」や「久治良」という言葉が登場しています。

現在、日本ではあまり一般の食卓にクジラが並ぶことはありませんが、捕鯨によってクジラ肉が取られています。

これは主に「商業捕鯨」と「調査捕鯨」に分かれており、前者は営利目的の捕鯨、後者は国際捕鯨取締条約第8条に基づいて南極海などで行われる捕鯨を指します。調査捕鯨の場合も捕獲したクジラの有効活用が必須となっているため、取られたクジラ肉などが販売されたりします。日本は、2019年に31年ぶりに商業捕鯨を再開しています。

最後に豆知識をひとつお話ししましょう。クジラの鳴き声は一般に15ヘルツから25ヘルツと言われていますが、1989年にはそれよりもはるかに高い声で鳴くクジラが発見されて話題となりました。

このクジラはウッズ・ホール海洋研究所のウィリアム・ワトキンスによって研究され、その鳴き声から「52ヘルツのクジラ」と呼ばれました。

この「52ヘルツのクジラ」はほかのクジラとコミュニケーションが取れないと思われ、「世界で一番孤独なクジラ」と呼ばれています。

最近では2021年の本屋大賞を受賞した町田そのこさんの小説のタイトルに使用されて話題となりましたが、このクジラの正体はいまだに謎に包まれています。

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