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「敗戦」はまだまだ続く? デジタル庁が期待外れのスタート

官僚抵抗、リーダーシップ不在のまま

まだアナログ、渋谷ワクチン接種殺到

日本の行政の「デジタル敗戦」を象徴する出来事がまたしても起きた。

東京都が渋谷で行った若者向けワクチン接種だ。予約不要、先着順で接種できるという発想自体は悪くなかったが、用意されたワクチンは300人分。8月27日11時50分からの受付開始に早朝から行列ができ、7時半には受付を締め切ったものの、行列は収まらず混乱が続いた。「想定を大幅に超えた」と担当者は言うが、どうみても300では想定が甘すぎた。だが、話はそれで終わらなかった。

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翌日は、抽選券を配る方式に変え、予約券を配布したが、やはり1キロに及ぶ長蛇の列ができ、2226人に配って当選者は354人。他はハズレで翌日また抽選という「昭和さながら」の方法だった。さすがに批判が噴出してオンライン抽選の検討に乗り出したが、まさにこれが日本の行政とデジタル化の実情なのだ。

つまり、デジタルのツールはいくらでもあるのに、昔からのやり方を変えられないのだ。DX(デジタル・トランスフォーメーション)が掛け声になっている昨今、Dつまりデジタル化よりも、Xつまり仕事のやり方を根本から見直すトランスフォーメーションの方が問題なのだということを如実に示した例だった。

そんな混乱の直後、菅義偉首相の発案で「目玉政策」として打ち出された「デジタル庁」が9月1日に発足した。

もともと新型コロナウイルスの蔓延が始まった直後の2020年4月に当時の安倍晋三首相が打ち出したひとり一律10万円の特別定額給付金が、なかなか配れず、しかも、デジタルでの申請にトラブルが起きて結局紙で申請を受け付ける自治体が出るなど大混乱を極めた。

 

いかに日本の行政のデジタル化が遅れているか多くの国民が痛感した。2020年9月に発足した菅内閣が目玉政策に掲げた背景には、そうした国民の不満があった。

菅首相はその原因が「行政の縦割り」にあるとして、「複数の省庁に分かれている関連政策を取りまとめて、強力に進める体制として、デジタル庁を新設いたします」とぶち上げたのである。

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