多くの人が知らない「性感染症」のリアル…泌尿器科医がコロナ禍でも心配するその“動向”

性感染症は、セックスをすることによって感染します。人と人が出会い交わることによって、初めて生じてくる、いわばとても「人間らしい病気」なのです。

私は、東京都内の性感染症専門クリニックに勤務する医師です。クリニックにはいろんな事情を抱えた人が来られますが、性感染症の患者さんを診ていると、「現在の世界」が見えてきます。前編ではパパ活によって性感染症を発症した女性のエピソードをお伝えしましたが、今回はコロナ禍でも気になる“ある”性感染症についてご紹介したいと思います。

前編:10代半ばで「4人とパパ活」の末、性感染症に…専門クリニックを訪れる“パパ活女子”たちの実態

性感染症、そのリスクを知るために

当院は、午前中から夜8時まで開院しており、様々な方が来院されます。例えば、夕方以降は会社終わりのサラリーマンが多く受診されますが、日中はホストなど夜の仕事の方が多く来院されます。そのほかにも、風俗で勤務されている方が、定期的な感染のスクリーニングに来られることも多いです。

写真はイメージ/photo by iStock
 

性感染症患者を診察する際、感染のリスクを知るために、不特定の人と性交渉を持っているか、風俗で働いているか、肛門でセックスをするかということを必ず確認しなければなりません。たとえば、肛門を使用した性行為は、肛門内の淋菌・クラミジア感染や、HIV感染などのリスクが高くなることがあります。

私の感覚なのですが、暑い時期になるとなぜか尿道から黄色い膿を出して、苦しんで訪れる男性患者が増えてくるような気がします(私の体感であり、エビデンスはありません)。

その原因は「淋菌」です。淋病とも言って、旧約聖書や古代のエジプトや中国の歴史書にも登場する歴史のある病気ですが、現在は飲み薬の抗生物質が効かない耐性菌が増えてきており、治療には特殊な注射の抗生物質が必要となります。治療ガイドラインにも記載されていますが、飲み薬で淋菌を治療することはできないのです。

関連記事