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日本人が「善悪」を、韓国人が「損得」を重んじることで生まれた「決定的な違い」

黒田福美さんインタビュー前編

日韓が対立する「要因」が見えてくる

芸能界きっての韓国通でありながら、時に韓国の「暗部」を指摘することも厭わない辛口の論客でもある女優の黒田福美さん。その彼女の新著『「不時着」しても終わらない』が話題を集めている。

“不時着”とは、昨年、大ヒットした韓国ドラマ『愛の不時着』のこと。定額制動画配信サービスNetflixの契約者数を大幅に増やしたとされるこのドラマは、日本でもハマった人が急増し話題となった。

ある日、パラグライダーに乗っていた韓国の財閥令嬢が、突如竜巻に巻き込まれ、(韓国と北朝鮮の)非武装地帯を越境し、北朝鮮に不時着。そこで北朝鮮の軍人に救助され、あろうことか2人は恋に落ちてしまう、という現代版「ロミオとジュリエット」。

ご存知のように現実の韓国と北朝鮮は、70年前に起きた朝鮮戦争の「休戦」状態にあり、自由に行き来できないうえに、連絡を取り合うことさえままならない。

ヒロインの韓国の財閥令嬢ユン・セリは、自己実現のために起業し、経営者として腕を振るうビジネスウーマン。かたや北朝鮮の真面目な軍人リ・ジョンヒョクは、セリに寄り添い、支えて守る、新しいタイプの男性として描かれている。

さて、黒田さんの新著はこのドラマの背景を掘り下げながら、韓国社会を紐解いていく――という内容なのだが、人気ドラマの便乗本と思いきや、解説されている「日韓の違い」が得心のいくものばかりなのだ。

本記事では、あらためて黒田さんに日本と韓国の文化や歴史の差異について考察してもらった。

『不時着しても終わらない』(主婦の友社)
 

——どんな内容の本ですか?

黒田:この本は、日本でも人気を博した韓国ドラマ『愛の不時着』を題材に、ドラマの中で描かれたシーンを例にとって、そこから垣間見える韓国(朝鮮)の人々と日本人とのメンタリティや文化の違いを解説したものです。

もちろん韓国ドラマファンのために書かれた本なので、ものやわらかな文化差異を論じるものにとどめてあり、韓流ファンやヒョンビン(主役の軍人役)ファンも楽しく読めるようになっています。

しかし、そこを深読みしてゆくと、政治や歴史認識などにおいて今日、日韓の間で対立したり、すれ違ったりする要因が見えてくるんですね。

黒田福美さん(写真/本人提供)

決定的な日韓の差異

つまり、ドラマに登場するシーンを紹介しながら、日本人があまり知らなかった韓国・朝鮮の文化と日本との違いを理解できるような本になっているのだ。

本の中に登場する「日本と韓国の違い」とは、いくつかのポイントがあると黒田さんは解説する。

——それはどのような点ですか?

黒田:たとえば(1)島国と半島である、ということの違い。(2)日本は仏教的倫理観を持つ国であり、対してあちらは儒教の国であるということ。それがベースにあって起こる齟齬。(3)日本は「職人文」、つまりブルーカラーの文化。対して韓国はホワイトカラーの文化であること。(4)日本というのはエビデンス(証拠・根拠)の文化で、韓国はどちらかというと『見たいものを信じる』というレッテルばりの文化。(5)日本はボトムアップの文化であるが、韓国はトップダウンの文化。(6)日本人の『秘める』ことに対する美——日本は婉曲表現を好み、互いに察する文化であるのに対して、韓国は言わなきゃわからない、あるいは自分を主張する、つまり誇示する文化であること。

このような違いをわかっていないと、日本人に韓国人は理解できません。

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