キスすら拒否する妻

元妻に対して強烈な恋心は抱いていなかったが、美しく意志の強い彼女は、坂本さんにとって魅力的だった。ある日、元妻を抱き寄せてキスをしようとした。

そしたら彼女が、ひゅっと無言で顔をそむけたんです。ものすごく傷つきました。そんなに嫌われてるのかなって。別にセックスをしようとしていたわけではなく、ちょっとした愛情表現だったのに」

〔PHOTO〕iStock

怒りと悲しさでプライドが粉々になったという坂本さん。それでも、できるだけ冷静を装って元妻に聞いた。「なんでそんなに嫌がるの?」と。

すると彼女は、「急に抱きしめるあなたが悪いんじゃない! 大体、あなたはムードづくりが下手のなのよ!」と一方的に坂本さんを責めたという。

「ちょっとでも触れられるのが嫌なら、なぜ僕と結婚したんですかね」

この日を境に、元妻への不信感が募っていった。

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妻の「アラ探し」ばかりするように

それからというもの、元妻の嫌なところにばかり目がいくようになった坂本さん。料理をしない、冷たい、すぐに攻撃的になる、潔癖すぎる……これまで気にしなかった彼女のいろいろな面が許せなくなった。

「ある晩、帰ってくるとお惣菜のパックが6個もテーブルに並んでいるんです1品や2品ならいいですが、おかずのすべてがお惣菜なんて。別に無理に料理しなくてもいいんです。でも、子どものいない専業主婦で、昼間は出かけずに家でゲームとかしているのにな、とつい思ってしまう。

僕が会社から帰宅してもまず、リビングの奥から『まず、手を洗ってよ!』って叫ぶように言うんです。『お帰りなさい』と明るく言ってくれたら、どれほど嬉しかったか……」

それでも、坂本さんは毎晩皿洗いをし、結婚前は毎週末行っていたゴルフをやめて、好きでもないゲームや買い物につきあったりなど、元妻と一緒の時間を過ごし、彼女を幸せにするために尽くしたという。夫婦になったら2人で行動すべきだと思っていたし、元妻がそう望んだからだ。

だが、元妻は坂本さんに愛情表現を一切見せず、坂本さんが家を不潔にしていると文句を言うばかり。坂本さんのフラストレーションは限界に近づいていた。

そしてある朝、決定的な出来事が起こる。