「タリバン復活」で活発化…インドネシア・イスラムテロ組織メンバーを大量摘発

コロナ渦でも続くテロとの戦い
大塚 智彦 プロフィール

コロナ渦でも続くテロとの戦い

国家警察は今回の一斉逮捕で明らかになった独立記念日に関連したテロ計画に関しては、模倣犯の予防や依然として関連容疑者がすべて逮捕されていないことなどから詳細は明らかにしていない。

独立記念日には首都ジャカルタの大統領宮殿で恒例の独立記念式典が挙行され、ジョコ・ウィドド大統領ら政府要人が参列した。大統領宮殿の警備は厳重を極めていることから、計画されたテロ攻撃は規模も小さく、警備もあまり厳重ではない地方自治体による独立記念行事や宗教施設、商業施設などをターゲットにしたものではないか、との観測も出ている。

インドネシアでは8月17日は中央政府だけでなく、州や県、郡などの各地方自治体で国旗を掲揚、国歌を斉唱する行事が行われるのが恒例だからだ。

また、独立記念日以外にもイスラム教徒の重要な宗教行事である「断食月」やキリスト教徒の重要行事の「クリスマス」などの機会を狙ったテロが過去には頻発している。

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インドネシアは海洋群島国家であることからフィリピン南部やマレーシア、さらにミャンマー方面などから海路での密航が比較的容易とされ、さらに国民の88%がイスラム教徒という人口構成などから、外国人のイスラム教徒テロリストにとってはフィリピンと並んで「中東以外の活動拠点」となりうる条件を備えている。

イラクやシリアでISが壊滅状態に追い込まれた時も「ISが新たな活動拠点を東南アジアで模索している」としてフィリピン南部が注目された。そのフィリピン南部で活動する「アブ・サヤフ」はインドネシアのテロ組織との関係が深く、インドネシア人夫妻がフィリピン南部で自爆テロを実行する事件も起きている。

こうした状況の中、インドネシア、フィリピン、マレーシア政府は主にカリマンタン島(マレーシア名ボルネオ島)北東などの国境海域での共同パトロールなどで警戒監視を強めている。

今回の一斉摘発で、とりあえず差し迫った危機は免れたものの、資金調達、武器・爆弾の製造、メンバーのリクルート、軍事訓練などでテロ組織は活動を強めているとみられ、その危険性は去っていないとして、当局は国民に注意を呼び掛けている。

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