流行という言葉が示すように、世の中の潮流にいち早く反応するファッションの世界において、トレンドとしても語られるジェンダーフリーについて、関係者はどのように捉えているのでしょうか。現場に深く携わるスタイリストの立場から、山本マナさんに話を伺いました。

●お話を伺ったのは…
山本マナ(やまもと・まな)
スタイリスト。北海道生まれ。雑誌、広告、カタログ、アーティストのスタイリングなど幅広いフィールドで活動。2020年にオンラインギャラリー「SNÖ」をオープン。今年5~6月に“写真の町”北海道東川町で開催されたグループ展『6STORIES-東川町を写した写真家たち-』の企画制作にも携わる。

-AD-

自由に好きなものを
選んで着る楽しさ。
なによりこの仕事が
ジェンダーフリーなのかな。

ジェンダーに関する言葉を頻繁に耳にするようになって、その意味や深みがとても気になるようになりました。ユニセックスという言葉は男女で着ることのできる洋服のことですが、ジェンダーフリーをスタイリストとして考えると、ユニセックスの服だけではなく、メンズもレディースも区別することなく、どちらでも自由にその時の気持ちで選択できることなのかなと思っています。

スタイリングの仕事としては、メンズとレディースをミックスするような企画は、ここ2~3年で増えたように思います。私自身、元々メンズの服が好きで、自分だったらどういう風に着られるのか考えるのも好きだったこと、また、男の子のようなバランスを女性が着るのは可愛いなと思っていたので、お仕事としては無理なく考えることができましたし、楽しんでやっています。

メンズのブランドにリースに行くと新しい発見もあり、勉強にもなるし、実際に欲しい服もたくさんあるんです。プレスの方も女性に着せるということを楽しんでくれている。以前はメンズ、レディースがもっとはっきり分かれていた気がしますが、今は自由に混ぜられるブランドが増えています。お互いにプラスになる感じがして好きな企画です。

山本マナさんがスタイリングを手がけた「ドーバー ストリート マーケット SS21コレクション スタイルブック」より。男性モデルは〈チョポヴァ ロウェナ〉のドレスをジャケットとして着用。メンズとレディースのブランドをミックスしてコーディネート。Photographer:Mitsuo Okamoto Stylist:Mana Yamamoto Hair:Asashi Make-up:Uda Model:Matt , Suzi

メンズやユニセックスの服を女性が着るときは、リップやネイルの色を遊んだり、カラーマスカラやライナーを少し効かせたりという取り入れ方が好きです。それが私の考えるフェミニンにも繋がるのかなと。ドレスを着るなら、逆に引き算のメイクにしたり、メンズシューズやスニーカーを履いたり、偏らないで両方が混ざり合うことが面白いなと思っています。

世の中もそんな流れになってきて、最近では男性もメイクをしたり、ネイルを塗ったり、パールのネックレスを着けたり。ごく自然に取り入れているのを見るとすごく新鮮に感じるし、真似したいとさえ思うことも。その時の気分や感覚で、デザインもサイズも装いも、自由に好きなものを選べる。それが今のファッションの魅力だと思います。