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夫が青ざめた…妻の認知症で、口座が凍結…「生活費がおろせなくなった」夫婦の悲劇

お取り扱いできません

まずは代理人カード

徳島県に住む押井俊満さん(76歳、仮名)は、同い年の妻と一緒に「もの忘れ外来」の専門医を訪れた。診察後、押井さんだけが呼び出され、医師にこう告げられた。

「落ち着いて聞いてくださいね。奥様ですが、認知症の症状がおありです」

異変を初めて感じたのは、3ヵ月ほど前だ。妻がケーキの周りについた透明なフィルムを「うまく剥がせない」と言い出した。ある晩には、炊飯器でご飯を二度炊いた。

「長年連れ添ってきた妻が、妻でなくなってしまう。もう私のことも忘れてしまう。そう思うと、涙が出てきて……。

しかも、うちには子どもがいない。介護を手伝ってくれるような親戚もいません。これから一人で、妻の介護も手続きも全てやるのかと思うと、途方に暮れてしまいます」

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さまざまな「人生のまとめ」や「生前・死後の手続き」をこなして、これで準備万端と思ったかもしれない。しかし、最後の関門がまだ残っている。それが「認知症への備え」だ。

人生最後の10年に備えて、どんなに綿密な計画を立てようとも、夫婦のどちらかが認知症を発症すれば崩れてしまう。元気なほうは通常の手続きに加えて介護という重荷を抱え、一人で二人分以上の働きをしなければならなくなるからだ。

しかも認知症は他の病気と違って、治すことはできない。夫婦のどちらかが必ず認知症にかかると考えて対策を講じなければ、待っているのは悲惨な末路だ。

東京都に住む松原和美さん(73歳、仮名)は、銀行のATMで異変に気づいた。キャッシュカードを何度差し込んでも〈お取り扱いできません〉と表示される。

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