配偶者控除で排除される事実婚

事実婚をするにあたって、佐藤さんと夫は法律家の知り合いに、2人の子どもを嫡出子にするための手続きを相談していた。すると、婚姻届と出生届を出した後に離婚届を出せばいい、と言われ、そんな“裏技”みたいな方法しかないのか、と暗澹たる気持ちになったという。

そして、実際に妊娠した後も子どもの法的権利について調べると、赤ちゃんがお腹のなかにいるときに夫に万が一のことがあったら、赤ちゃんに何も遺してあげられないと知った。そこで、佐藤さん夫婦はまずは、“胎児認知”をすることにした。胎児と父親の間に法的に親子関係を作ることで、父親に何かあっても赤ちゃんは出生時に法定相続人になれる。そして何より、子どものルーツを法的に示すことができると佐藤さん夫婦は感じていた。

〔PHOTO〕iStock
-AD-

さらに、出産時の緊急の手術同意が事実婚のパートナーだとできない可能性があることや、事実婚だと子どもの姓は自動的に母親になることを踏まえると(子どもの姓は父親の姓にしようと思っていた)、ぎりぎりまで別姓を維持し、出産直前に婚姻届けを出して出産後に離婚届を出すことがベストだと決断した。

そんなわけで、出産後、離婚届を出して事実婚に戻り、育休も終えて仕事に復帰した佐藤さんだったが、子どもが4歳になったときに引っ越したことで職場が遠くなり、保育園を時間いっぱい使ってもフルタイムで働く時間を確保することが難しくなってしまった。そのため、都心でのフルタイムから近隣のパートの仕事に切り替えることに。ところが、年収が103万円以内になっても、事実婚だと税務上の配偶者控除が受けられないことを知る。