過激なダイエットを繰り返し10代後半から20代にかけて摂食障害を経験し、そのことからダイエットやルッキズムの問題などに向き合うようになったプラスサイズモデルの吉野なおさん(モデル名:Nao)。SNSでは、「ボディポジティブ」なメッセージを配信続け、共感を集めている。

今月は先日、なおさんのSNSで話題になった「二の腕露出問題」から、私たちは本当に着たい服を選んで着ているのだろうか?という、思わずドキリとされるルッキズムの課題について寄稿してもらった。

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なぜ二の腕を隠してしまうのか?

「二の腕が出る服を着るようになった」という動画をTwitterに載せたところ、想像以上に反響があり、1700件以上の「いいね」がついた。

Twitter(@cheese_in_Nao)

https://twitter.com/cheese_in_Nao/status/1424288563907031043?s=20

ずっと二の腕コンプレックスだったので目からウロコでした」
「私も二の腕、出すようになりました!」
「クローゼットにあるノースリーブの服を着たいと思いました」

など、ポジティブな反応が多く、
「まだ自分には二の腕を出す勇気がない」という声もあった。

しかしそもそも、「二の腕が出る服を着るのは、勇気がいることだ」という価値観になっているのは、なぜなのだろう。なにもお尻を出すわけではない。腕だ。
アニメ日本昔ばなしのテーマソングでは「お尻を出した子、一等賞」という歌詞があったが、日本現代ばなしでは「二の腕出した子、一等賞」になるのかもしれない。

でも、私自身も昔から二の腕を出すのがへっちゃらだったかというと、そうではない。今でこそ自由にファッションを楽しんでいる私だけれど、体型にコンプレックスを感じていた時は、太い手足を隠すためにダボっとした服を着たり、スカートを履く時は黒いレギンスを重ね履きするなど、ファッションに不自由さを感じていた。

22歳頃の写真。昔は体のラインが出る服を避けて、ダボっとした服ばかりを着ていた。写真提供/吉野なお

「着たい服」よりも、とにかく体型カバーを意識したものばかり選び、オシャレの仕方もよく分からなかったし、フェミニンで可愛いテイストの服に憧れを持ちつつも「太っている自分には似合わないのだ」と思い込んでいた。

私なりに体型カバーすることに必死になっていたが、今になってわかることは、他人が自分をどう捉えるかは、人それぞれ異なるという真実だった。だから『他人にどう思われるのか』を気にして自分を取り繕うよりも『自分が自分をどう思いたいのか』ということに気付くことの方が大事だったのに、そこに至るまでには時間がかかった。