ウレタンマスク、家族以外とお茶…「デルタ株」に感染する行動パターン、最新情報からわかること

村上 和巳 プロフィール

ブレイクスルー感染者はごくわずかで重症化率も低い

ただし、ワクチン接種を完了しても(1)体内の新型コロナに対する抗体が時間とともに減少する、(2)ワクチン接種完了後に感染する「ブレイクスルー感染」が起こり得る、(3)無症状の「ブレイクスルー感染者」は体内に大量のウイルスを保持して他人に感染させる可能性がある、などの課題が浮上している。

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(1)では、昨年12月からいち早く国民への接種を開始したイスラエルが6月6日以降の感染状況などから7月上旬時点のファイザー・ワクチンの発症予防有効率が64%に低下したとの試算を発表している。

ただ、有効率64%でも発症リスクはワクチン未接種者の3分の1程度に抑えられているほか、発症予防の有効率は低下しても重症化・入院予防の有効率は93%と高いことが分かっている。

(2)はワクチンの有効性が100%ではないため避けられない問題だが、現時点で判明しているブレイクスルー感染発生率は、アルファ株流行時のイスラエルからの報告で無症状者も含めわずか2.6%。

デルタ株ではこの数字が高くなる可能性はあるものの、例えば接種者の半数以上でブレイクスルー感染が起こるなど、ワクチンの存在意義がなくなるような事態は現状の各種データからは考えにくい。また、ブレイクスルー感染例では未接種者と比べ、重症化率も低いのが現実である。

つまり(1)、(2)の課題があったとしても、依然としてワクチンの発症・重症化予防効果は一定以上維持されており、接種は有効といえるのだ。実際、現在10代以下の感染者が急増しているが、これはデルタ株の性質というよりは、この年齢層にワクチン接種が行きわたっていないことが大きい(11歳以下に至ってはワクチン接種対象外)。

ちなみに前述のイングランド公衆衛生庁の研究では、ワクチンの1回接種だけではデルタ株に対する発症予防の有効率は35.6%に過ぎないので、1回接種後も厳重に感染対策をして、しっかり2回接種を完了する必要がある。

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