吉沢亮『青天を衝け』、成功のカギは大河ドラマの「朝ドラ化」にあった

若手俳優の登竜門に
山本 奈緒子 プロフィール

今後もあり得る若手俳優の起用

同じことは、今まさに『青天を衝け』でも起こっている。

必死で江戸幕府を守ろうと戦った第十四代将軍・徳川家茂を演じた磯村勇人(28)。徳川慶喜の弟で、栄一とともにパリへ留学する徳川秋武を演じた板垣李光人(19)。新政府に立ち向かい壮絶な最後を遂げた渋沢平九郎を演じた岡田健史(22)etc.…まさに、これからのドラマ界を担うであろうと言われる期待の面々たちが、この大河を舞台に見事に羽ばたいた、という印象だ。

来年の大河は一転、演技力・実績ともに30代俳優ナンバーワンと言われる小栗旬(38)が主演を務める。再来年の大河も、人気、実績ともに文句のない元嵐の松本潤(37)が演じることが決まっている。再び大河らしい人選に舵が切り直されてはいるが、吉沢亮のような大抜擢は今年だけの異例の出来事で終わるかというと、そうとは言えないだろう。

2022年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で主演を務める小栗旬。[PHOTO]gettyimages
 

ここ数年は、やはりドラマでの主演経験がなかった『西郷どん』の鈴木亮平や、ブレイク前だった岡田准一、綾瀬はるかなど、大抜擢に近いキャスティングが頻繁に見られるようになっている。

NHK大河ドラマの主演といえば、かつては上り詰めた者にのみ与えられる称号のような重みがあった。しかし昨今は、ドラマ離れの加速から大河でも高視聴率を獲得することが難しくなっている。そしてその責任は主演俳優一人が背負わされがちなのも、大河特有の現象だ。そのため実績のある俳優ほど、危険を冒して大河の主演という大役を引き受けることを避け始めている。

今後も、多少の揺り戻しはあれど大河の朝ドラ化は進んでいくのではないだろうか。そうなると大河も、朝ドラ同様“若手俳優の登竜門”なんて存在になっていくかもしれない。

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