バイデン政権の大失敗…タリバン支配地に「置き去りにされる民間人」が続出している

米軍の撤退期限が近付いてきた

緊急事態に「大失敗」した

米国のジョー・バイデン政権による「カブール脱出作戦」に、国内外の批判が高まっている。日米など主要7カ国(G7)は「結束」を演出しているが、一皮向けば「バイデン政権は大失敗した」という評価が大勢だ。政権に大きな傷跡を残すのは、避けられない。

アフガニスタンのイスラム原理主義勢力、タリバンは8月15日、首都カブールを制圧した。米国は前日の14日から撤退作戦を開始し、バイデン大統領は同日、カブール国際空港の安全を確保するために、現地の米軍を「5000人に増派する」と発表した。

バイデン政権の失敗はここから始まるが、まず、これまでの経過を簡単に振り返ろう。

ジョー・バイデン米大統領[Photo by gettyimages]
 

ドナルド・トランプ前政権は昨年2月、タリバンと交渉し「ことし5月1日までの米軍撤退」で合意した。バイデン政権は4月14日、2001年9月11日の米国同時テロから20年に当たる9月11日までの撤退を表明した(https://www.whitehouse.gov/briefing-room/speeches-remarks/2021/04/14/remarks-by-president-biden-on-the-way-forward-in-afghanistan/)。

その後、米軍撤退が加速し、6月11日公開コラムで紹介したように、6月時点では「7月中旬にも撤退が完了する」との見通しもあったほどだ(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/84047)。バイデン大統領は7月8日、声明を発表し「我々の軍事行動は8月31日に終える」と撤退期限を早めた(https://www.whitehouse.gov/briefing-room/speeches-remarks/2021/07/08/remarks-by-president-biden-on-the-drawdown-of-u-s-forces-in-afghanistan/)。

重要なのは、撤退期限を8月31日と設定したのは、タリバンとの交渉の結果ではなく、大統領自身の判断だった点だ。声明を出した時点では、米国の情報当局は「アフガン政府軍は米軍の撤退後、少なくとも6カ月は持ちこたえる」とみていたのである(https://www.france24.com/en/live-news/20210825-why-is-august-31-the-date-for-the-us-pullout-from-afghanistan)。

それだけの時間があれば「米国や欧州各国の軍、それに協力してきた通訳など数万人のアフガン人を脱出させるのに、十分」という判断だった。だが、この見通しは完全に誤っていた。タリバンは7月から怒涛の勢いで進撃し、あっという間に首都を制圧してしまった。

タリバンによる記者会見でのザビフラ・ムジャヒド報道官[Photo by gettyimages]
 

攻勢に驚いたように、カブール周辺には数万人に上る米国と北大西洋条約機構(NATO)各国の民間人、現地協力者らがいたにもかかわらず、米国は15日に大使館の閉鎖を決め、大使館員と防衛する海兵隊員が真っ先に空港に避難してしまった。

この時点で、現地には2500人の米軍と数千人のNATO軍が残っていたが、すべて空港に集結してしまう。西側の民間人たちは、いわば「裸同然で市内に取り残されてしまった」のである。これが、現在に続く危機の始まりになった。

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